単元構成や活動の場の工夫・改善による多面的・多角的な見方や考え方の育成 一憲法第9条と平和主義の学習を通して一

社会科の学習では特に、生徒たちが、社会的な事実や問題に関して、様々な観点から考えたり話し合ったりすることで、彼らに多面的・多角的に考える力を育成することが求められている。本稿では、題材としては、憲法第9条の平和主義と自衛隊の問題を取り上げる。わが国が長く平和が続いてきたこともあり、授業ではこの題材は簡単に概念的な理解を与える程度ですませるのがほとんどであった。しかし国際紛争が拡大する中で、自衛隊にもPKO派遣問題など新たな国際貢献が期待され、それと共に憲法の平和主義についても、より現実的で多面的な理解が求められてきている。そこで授業の中で、憲法の平和主義についての生徒たちのいわば形式的で表面的...

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Published in教育実践学研究 Vol. 7; pp. 13 - 20
Main Author 小林, 正文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 教育実践学会 2003
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ISSN1880-2621
2436-0945
DOI10.50841/kyoikujissen.7.0_13

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Summary:社会科の学習では特に、生徒たちが、社会的な事実や問題に関して、様々な観点から考えたり話し合ったりすることで、彼らに多面的・多角的に考える力を育成することが求められている。本稿では、題材としては、憲法第9条の平和主義と自衛隊の問題を取り上げる。わが国が長く平和が続いてきたこともあり、授業ではこの題材は簡単に概念的な理解を与える程度ですませるのがほとんどであった。しかし国際紛争が拡大する中で、自衛隊にもPKO派遣問題など新たな国際貢献が期待され、それと共に憲法の平和主義についても、より現実的で多面的な理解が求められてきている。そこで授業の中で、憲法の平和主義についての生徒たちのいわば形式的で表面的な理解を、今わが国が直面している国際貢献など現実的な諸問題と関わらせることで、多面的・多角的な思考へと発展させたい。それを特に単元構成や活動の場を工夫することで試みてみたい。
ISSN:1880-2621
2436-0945
DOI:10.50841/kyoikujissen.7.0_13