大動脈遮断困難例における体外循環方法の検討―systemic hyperkalemia法における短時間大量dilutional ultrafiltrationの有用性
「要旨」複数回手術による周囲臓器との高度癒着や上行大動脈の高度動脈硬化など大動脈遮断が危険で困難な場合, 大動脈遮断を行わずに体外循環を施行する必要がある. 2008年4月から2010年12月まで当院にて大動脈遮断が困難または危険と診断された4症例について施行した体外循環方法を報告する. 各々の症例に応じた送脱血部位を選択し, 体外循環を確立させた後, 適正灌流量を変化させることを目的に軽度から中等度低体温へ冷却した. 大量の塩化カリウム溶液を静脈貯血槽内に投与し, 血清カリウム濃度を上昇させることで心停止を得て, 心内操作を行った. また, 血清カリウム濃度は時間とともに低下するため, 血清...
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Published in | 体外循環技術 Vol. 39; no. 2; pp. 170 - 173 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本体外循環技術医学会
01.06.2012
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Summary: | 「要旨」複数回手術による周囲臓器との高度癒着や上行大動脈の高度動脈硬化など大動脈遮断が危険で困難な場合, 大動脈遮断を行わずに体外循環を施行する必要がある. 2008年4月から2010年12月まで当院にて大動脈遮断が困難または危険と診断された4症例について施行した体外循環方法を報告する. 各々の症例に応じた送脱血部位を選択し, 体外循環を確立させた後, 適正灌流量を変化させることを目的に軽度から中等度低体温へ冷却した. 大量の塩化カリウム溶液を静脈貯血槽内に投与し, 血清カリウム濃度を上昇させることで心停止を得て, 心内操作を行った. また, 血清カリウム濃度は時間とともに低下するため, 血清カリウム濃度を8~10mEq/Lに維持するよう適時塩化カリウム溶液を静脈貯血槽内に投与した. 一方, ヘモコンセントレーターと血液浄化カラム2本を並列に使用した短時間に大量のdilutional ultrafiltration(high volume DUF)を施行することによって血清カリウム値を急速に正常化することが可能であった. |
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ISSN: | 0912-2664 |