心房中隔欠損症に合併した僧帽弁閉鎖不全に対する手術

二次孔欠損型心房中隔欠損症(ASD)に合併した僧帽弁逆流(MR)に対し1984年から1996年までに僧帽弁形成術を行った25例の遠隔成績と術式について検討した. MRはSellersの分類の1/4~4/4度(平均2.3±0.7度)であった. 僧帽弁の病変部位は, 後内側前尖が11例(44%), 後内側から中央部前尖が7例(28%), 前尖全体が5例(20%), 前尖の中央部が1例(4%), 後内側後尖が1例(4%)であった. 僧帽弁形成は, 腱索短縮のみを3例, 腱索短縮+Kay法を9例, Kay法のみを10例, またそれぞれ1例で, 人工腱索のみ, 人工腱索+Kay法, 人工腱索+リング弁輪...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inThe Japanese Journal of THORACIC AND CARDIOVASCULAR SURGERY Vol. 46; no. 12; pp. 1324 - 1328
Main Authors 服部玲治, 中野清治, 山本文雄, 笹子佳門, 小林順二郎, 小坂井嘉夫, 北村惣一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胸部外科学会 10.12.1998
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1344-4964

Cover

Loading…
More Information
Summary:二次孔欠損型心房中隔欠損症(ASD)に合併した僧帽弁逆流(MR)に対し1984年から1996年までに僧帽弁形成術を行った25例の遠隔成績と術式について検討した. MRはSellersの分類の1/4~4/4度(平均2.3±0.7度)であった. 僧帽弁の病変部位は, 後内側前尖が11例(44%), 後内側から中央部前尖が7例(28%), 前尖全体が5例(20%), 前尖の中央部が1例(4%), 後内側後尖が1例(4%)であった. 僧帽弁形成は, 腱索短縮のみを3例, 腱索短縮+Kay法を9例, Kay法のみを10例, またそれぞれ1例で, 人工腱索のみ, 人工腱索+Kay法, 人工腱索+リング弁輪形成を施行した. 術後1カ月に24例(96%)でMRは2/4度以下となった. 遠隔期に徐々にMRが進行し2例で再手術を必要とした. また1例で, 術後6カ月後にMRが3/4度認められるようになった.
ISSN:1344-4964