新興・再興感染症 耳鼻咽喉科領域における性感染症-淋菌の咽頭感染について
「1. 性感染症の増加」最近わが国では, 性風俗の多様化, 性習慣の変化, 若年女性における性行動の活発化などを背景に性感染症(STD)が蔓延している. 厚生労働省班研究のSTDサーベイランス報告1)によると, 2001年度における男性STDの年対罹患率(人口10万人当たり)は, 非淋菌非クラミジア感染症が195.8と最も高く, 以下, 淋菌感染症161.2, クラミジア感染症157.8, 性器ヘルペス41.7などの順になっている. 一方, 女性のSTDにおいてはクラミジア感染症が281.8と最も高く, 以下, 非淋菌非クラミジア感染症195.1, 性器ヘルペス79.9, 淋菌感染症45.6な...
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Published in | 日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 107; no. 8; pp. 760 - 763 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本耳鼻咽喉科学会
20.08.2004
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ISSN | 0030-6622 |
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Summary: | 「1. 性感染症の増加」最近わが国では, 性風俗の多様化, 性習慣の変化, 若年女性における性行動の活発化などを背景に性感染症(STD)が蔓延している. 厚生労働省班研究のSTDサーベイランス報告1)によると, 2001年度における男性STDの年対罹患率(人口10万人当たり)は, 非淋菌非クラミジア感染症が195.8と最も高く, 以下, 淋菌感染症161.2, クラミジア感染症157.8, 性器ヘルペス41.7などの順になっている. 一方, 女性のSTDにおいてはクラミジア感染症が281.8と最も高く, 以下, 非淋菌非クラミジア感染症195.1, 性器ヘルペス79.9, 淋菌感染症45.6などの順となっている. このように非淋菌非クラミジア感染症を除く, 病原体が明らかなSTDにおいては男性では淋菌感染症, 女性ではクラミジア感染症が最も多い(図1). また, それらSTDの年次推移をみると, 男女とも増加傾向を示し, 特に女性のクラミジア感染症の増加が目立っている(図2). |
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ISSN: | 0030-6622 |