腫瘍広汎切除の大腿骨再建に用いたハックステップ髄内釘の合併症
「はじめに」ハックステップ髄内釘は, 大腿骨の重度粉砕骨折に対する骨接合材料, 腫瘍手術に伴う広範囲骨欠損に対する補強材料などとして臨床応用されており, いずれも良好な成績が得られたとする報告が多い1)3)4)6). 我々は, 大腿骨浸潤を伴う悪性軟部腫瘍の患肢温存手術で合併骨切除や術中照射(IORT)を行った3例に対して, ハックステップ髄内釘を用いて再建を行った. いずれも, 術後早期から荷重歩行が可能となったが, 経過中いくつかの合併症が発生した. 今回, ハックステップ髄内釘による患肢再建後に生じた3例の合併症を調べ, 臨床的に問題点を検討した. 症例1:67歳, 男性 主訴:左大腿外...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 48; no. 2; pp. 684 - 688 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
25.03.1999
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 |
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Summary: | 「はじめに」ハックステップ髄内釘は, 大腿骨の重度粉砕骨折に対する骨接合材料, 腫瘍手術に伴う広範囲骨欠損に対する補強材料などとして臨床応用されており, いずれも良好な成績が得られたとする報告が多い1)3)4)6). 我々は, 大腿骨浸潤を伴う悪性軟部腫瘍の患肢温存手術で合併骨切除や術中照射(IORT)を行った3例に対して, ハックステップ髄内釘を用いて再建を行った. いずれも, 術後早期から荷重歩行が可能となったが, 経過中いくつかの合併症が発生した. 今回, ハックステップ髄内釘による患肢再建後に生じた3例の合併症を調べ, 臨床的に問題点を検討した. 症例1:67歳, 男性 主訴:左大腿外側部腫瘤 現病歴:平成8年7月, 左大腿外側部の腫瘤が出現. 同年9月には同部の疼痛出現し, 症状が徐々に増悪したため, 同年11月当科外来を受診した. 既往歴:糖尿病 初診時所見:左大腿中央から遠位外側にかけて15×11cm大の境界不鮮明な弾性硬の腫瘤を触知した. |
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ISSN: | 0037-1033 |