精神障害により繰り返された心臓伏針の1例

症例は17歳, 女性. 心臓及び胸壁に計7本の針の刺入を2回にわたり, 繰り返した. 2回共に自傷行為によるものであった. 1回目は針頭が右室前面に見えたため, 人工心肺を用いる事なく抜去できた. 合併症なく退院し, 精神科にて加療を受けていたが, 退院2カ月後に再度, 胸壁に針を刺入し, 来院した. 来院時には針は5本あり, すべて胸壁内にあった. 局麻下にて抜去の準備中, 病室から逃走した. 数時間後に院内で発見された時は針は6本に増えていた. 増えた一本は注射針であった. この針は心臓内に刺入されており, 針先も, 針頭も心表面からは全く見えないため, 人工心肺, 及びレントゲンによる透...

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Published inThe Japanese Journal of THORACIC AND CARDIOVASCULAR SURGERY Vol. 46; no. 5; pp. 473 - 477
Main Authors 望月吉彦, 杉田洋一, 岡村吉隆, 飯田浩司, 森秀暁, 嶋田晃一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胸部外科学会 10.05.1998
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Summary:症例は17歳, 女性. 心臓及び胸壁に計7本の針の刺入を2回にわたり, 繰り返した. 2回共に自傷行為によるものであった. 1回目は針頭が右室前面に見えたため, 人工心肺を用いる事なく抜去できた. 合併症なく退院し, 精神科にて加療を受けていたが, 退院2カ月後に再度, 胸壁に針を刺入し, 来院した. 来院時には針は5本あり, すべて胸壁内にあった. 局麻下にて抜去の準備中, 病室から逃走した. 数時間後に院内で発見された時は針は6本に増えていた. 増えた一本は注射針であった. この針は心臓内に刺入されており, 針先も, 針頭も心表面からは全く見えないため, 人工心肺, 及びレントゲンによる透視下に抜去を行った.
ISSN:1344-4964