胆嚢粘膜内癌15例の臨床病理学的検討

胆嚢粘膜内癌15例について病理組織学的に検討し以下の結果を得た. 肉眼的には隆起型7例, 表面型8例で, 組織学的には乳頭腺癌10例, 高分化型管状腺癌5例であった. 組織学的な癌の表層進展には筋層内のRokitansky Aschoff洞 (以下RAS) 内へ3例, 漿膜下層RASへ3例の上皮内進展のほかに, 粘液腺への上皮内進展がみられた. 粘液腺形成は15例中12例 (80%) にみられ, 筋層内粘液腺へ4例, 漿膜下層内粘液腺へ1例が進展していた. 粘液腺への癌の上皮内進展は粘液腺内に癌先進部が存在することや癌腺管周囲の粘液腺の存在によって診断されるが, RAS内進展と同様粘膜内癌と考...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 22; no. 12; pp. 2814 - 2819
Main Authors 山口, 晃弘, 蜂須賀, 喜多男, 磯谷, 正敏, 松下, 昌裕, 小田, 高司, 真弓, 俊彦, 久世, 真悟, 村上, 文彦, 近藤, 真治, 塩見, 正哉, 新美, 教弘, 坪根, 幹夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 01.12.1989
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Summary:胆嚢粘膜内癌15例について病理組織学的に検討し以下の結果を得た. 肉眼的には隆起型7例, 表面型8例で, 組織学的には乳頭腺癌10例, 高分化型管状腺癌5例であった. 組織学的な癌の表層進展には筋層内のRokitansky Aschoff洞 (以下RAS) 内へ3例, 漿膜下層RASへ3例の上皮内進展のほかに, 粘液腺への上皮内進展がみられた. 粘液腺形成は15例中12例 (80%) にみられ, 筋層内粘液腺へ4例, 漿膜下層内粘液腺へ1例が進展していた. 粘液腺への癌の上皮内進展は粘液腺内に癌先進部が存在することや癌腺管周囲の粘液腺の存在によって診断されるが, RAS内進展と同様粘膜内癌と考え, 癌の深部間質への浸潤と鑑別が必要である.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.22.2814