Microplegiaの心筋保護臨床効果

「要旨」開心術において心筋保護は成績を左右する極めて重要な臓器保護手段である. 今回我々は, 2009年2月~2010年5月までに施行した待機的開心術症例66例中, Blood Cardioplegia群(A群)33例とMicroplegia群(B群)33例について比較検討した. B群では, 晶質液を使用しないため心筋保護薬液注入量, 人工心肺中の血糖値は有意に低値を示した. また術中除水量はA群で有意に多く, 結果として人工心肺バランスには有意差を認めなかった. 大動脈遮断解除後の自己心拍再開率, 術後左室駆出率, 心拍出量は有意差を認めず, MicroplegiaはBCPと比較し遜色のない...

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Published in体外循環技術 Vol. 38; no. 4; pp. 509 - 511
Main Authors 加藤裕希, 松本年史, 谷口慎吾, 半田仁美, 川南聡, 朝井裕一, 椎久哉良, 菊池洋一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本体外循環技術医学会 01.12.2011
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Summary:「要旨」開心術において心筋保護は成績を左右する極めて重要な臓器保護手段である. 今回我々は, 2009年2月~2010年5月までに施行した待機的開心術症例66例中, Blood Cardioplegia群(A群)33例とMicroplegia群(B群)33例について比較検討した. B群では, 晶質液を使用しないため心筋保護薬液注入量, 人工心肺中の血糖値は有意に低値を示した. また術中除水量はA群で有意に多く, 結果として人工心肺バランスには有意差を認めなかった. 大動脈遮断解除後の自己心拍再開率, 術後左室駆出率, 心拍出量は有意差を認めず, MicroplegiaはBCPと比較し遜色のない心筋保護効果が得られた. またMicroplegiaでは晶質液を使用せず, 血液希釈を減少させ, 人工心肺中の血糖値や水分コントロールが容易となる可能性があり, 長時間の体外循環では, より有用性が高いのではないかと考えられる.
ISSN:0912-2664