遠心ポンプの圧―流量特性による心負荷モニタリングの可能性

「要旨」PCPS適用において, 心臓前負荷の適切な制御は, 心筋負荷を低減する上で重要であるが, 現状では前負荷の測定は行われていない. そこで, 本研究では, 遠心ポンプの回転数と流量に対する揚程圧の特性を把握することにより, 通常は測定されないポンプの前負荷を導出し, 心臓前負荷を推定できると考え, 希釈率, Htや血液温度の変化による血液粘度変化が遠心ポンプの流体特性に及ぼす影響を計測し, 心臓負荷の指標を導出できる可能性について検討を行った. その結果, ポンプ仕事率と回転数の関係近似式を導くことができた. 本研究の結果に基づき回路抵抗要素各部位の流体特性の導出を行うことで, 流量に対...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in体外循環技術 Vol. 38; no. 4; pp. 503 - 505
Main Authors 岡村直哉, 徳嶺朝子, 黒崎達也, 末田泰二郎, 二宮伸治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本体外循環技術医学会 01.12.2011
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0912-2664

Cover

More Information
Summary:「要旨」PCPS適用において, 心臓前負荷の適切な制御は, 心筋負荷を低減する上で重要であるが, 現状では前負荷の測定は行われていない. そこで, 本研究では, 遠心ポンプの回転数と流量に対する揚程圧の特性を把握することにより, 通常は測定されないポンプの前負荷を導出し, 心臓前負荷を推定できると考え, 希釈率, Htや血液温度の変化による血液粘度変化が遠心ポンプの流体特性に及ぼす影響を計測し, 心臓負荷の指標を導出できる可能性について検討を行った. その結果, ポンプ仕事率と回転数の関係近似式を導くことができた. 本研究の結果に基づき回路抵抗要素各部位の流体特性の導出を行うことで, 流量に対する圧損失および回転数と流量に対する揚程圧の推定値を算出でき, 遠心ポンプの前負荷を逆推定することが可能となる. これによりPCPS施行中の心臓前負荷をリアルタイムモニタリングでき, 今後PCPSの生存率の上昇につながると期待される.
ISSN:0912-2664