結核性胸膜炎における胸水中Adenosine deaminase活性値―年齢と有病率を考慮した診断の検討

現在でも結核新規罹患者の少なくないわが国では, 胸水貯留の原因検索において, 結核性胸膜炎の鑑別は必須である. 結核性胸膜炎診断の為の胸水Adenosine deaminase(以下ADA)検査の有用性は確立された感があるが, 年齢や有病率との関係という基本的な検討はなされていない. 本論文では, 年齢と有病率を考慮にいれた胸水ADA検査の結核性胸膜炎診断における信頼性について検討した. レトロスペクティブに集められた208症例を, 胸水貯留の原因によって, 結核群, 悪性疾患群, 結核以外の感染症群(以下感染症), 濾出性胸水群, その他の群, 原因不明群の6群に分け, 一方, 年齢によって...

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Published inThe Japanese Journal of THORACIC AND CARDIOVASCULAR SURGERY Vol. 46; no. 1; pp. 51 - 57
Main Authors 浜田哲郎, 佐仲雅樹, 羽田圓城, 長谷川嗣夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胸部外科学会 10.01.1998
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ISSN1344-4964

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Summary:現在でも結核新規罹患者の少なくないわが国では, 胸水貯留の原因検索において, 結核性胸膜炎の鑑別は必須である. 結核性胸膜炎診断の為の胸水Adenosine deaminase(以下ADA)検査の有用性は確立された感があるが, 年齢や有病率との関係という基本的な検討はなされていない. 本論文では, 年齢と有病率を考慮にいれた胸水ADA検査の結核性胸膜炎診断における信頼性について検討した. レトロスペクティブに集められた208症例を, 胸水貯留の原因によって, 結核群, 悪性疾患群, 結核以外の感染症群(以下感染症), 濾出性胸水群, その他の群, 原因不明群の6群に分け, 一方, 年齢によって, 35歳以下(若年者群), 36~65歳(中年者群), 66歳以上(高齢者群)の3群に分けた. 各年齢群において胸水ADA値のカットオフポイントを30, 50, 70U/Lとした場合の感度・特異度を検討した.
ISSN:1344-4964