左心低形成症候群に対するNorwood手術

左心低形成症候群(HLHS)に対するNorwood手術を25例に経験した. 1995年以降の16例では新大動脈再建における直接吻合及びIsolated cerebral and/or myocardial perfusion(ICMP)法を用いたNorwood変法を行った. いまだ満足すべき成績ではないが現在までのわれわれの手術方法と成績を検討した. 手術はまず胸骨正中切開下に, 腕頭動脈に人工血管を吻合し, 送血管を挿入し人工心肺を開始した. 中等度低体温下に腕頭動脈末梢側をクランプしICMP下に下行大動脈, 肺動脈, 大動脈弓部を直接吻合した. この方法により新大動脈末梢側再建中は人工血管...

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Published inThe Japanese Journal of THORACIC AND CARDIOVASCULAR SURGERY Vol. 46; no. 12; pp. 1311 - 1316
Main Authors 佐野俊二, 河田政明, 吉田英生, 紀幸一, 入江博之, 青木淳, 三谷英信, 中村浩己, 井上雅博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胸部外科学会 10.12.1998
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Summary:左心低形成症候群(HLHS)に対するNorwood手術を25例に経験した. 1995年以降の16例では新大動脈再建における直接吻合及びIsolated cerebral and/or myocardial perfusion(ICMP)法を用いたNorwood変法を行った. いまだ満足すべき成績ではないが現在までのわれわれの手術方法と成績を検討した. 手術はまず胸骨正中切開下に, 腕頭動脈に人工血管を吻合し, 送血管を挿入し人工心肺を開始した. 中等度低体温下に腕頭動脈末梢側をクランプしICMP下に下行大動脈, 肺動脈, 大動脈弓部を直接吻合した. この方法により新大動脈末梢側再建中は人工血管に吻合した送血管より頭及び心臓への血流は維持された. 中枢側は心停止下に上行大動脈, 肺動脈吻合を行った. なお過度の緊張がかかる場合は小さな自己心膜を補填した.
ISSN:1344-4964