臀部腫瘤が初発症状であった直腸原発gastrointestinal stromal tumorの1例

Gastrointestinal stromal tumor (GIST)は近年提唱された新しい概念であるが, 最近報告が散見されるようになってきた. 消化管のどこにでも発生しうるが, 特に胃, 十二指腸, 空腸に多く見られる.直腸は比較的珍しく, 現在まで本邦で11例が報告されているにすぎない. 考察を加えて報告する. 症例は62歳の男性で, 臀部腫瘤を主訴に来院した. 4か月経過観察していたが, 急速な増大傾向を認めたため摘出術を施行した. 摘出後約3週間で同部に再び増大傾向を認め, 諸検査より直腸原発管外発育型のGISTと考え, 直腸切断術を施行した. 術後病理検査の各種免疫染色にてGI...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 34; no. 11; pp. 1685 - 1689
Main Authors 澤田, 重吾, 岡崎, 誠, 山村, 順, 川崎, 靖仁, 大鶴, 実, 小早川, 清, 安田, 青兒, 林, 祥剛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 01.11.2001
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Summary:Gastrointestinal stromal tumor (GIST)は近年提唱された新しい概念であるが, 最近報告が散見されるようになってきた. 消化管のどこにでも発生しうるが, 特に胃, 十二指腸, 空腸に多く見られる.直腸は比較的珍しく, 現在まで本邦で11例が報告されているにすぎない. 考察を加えて報告する. 症例は62歳の男性で, 臀部腫瘤を主訴に来院した. 4か月経過観察していたが, 急速な増大傾向を認めたため摘出術を施行した. 摘出後約3週間で同部に再び増大傾向を認め, 諸検査より直腸原発管外発育型のGISTと考え, 直腸切断術を施行した. 術後病理検査の各種免疫染色にてGISTと確定診断した. 臀部腫瘤を初発症状とした直腸原発GISTの報告は見られなかった. 臀部腫瘤を診察する上で注意すべき病態と考えられた.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.34.1685