顎変形症におけるDesirable Occlusionの意義と重要性
「I. はじめに」顎変形症に対する外科的矯正治療の目的は, 機能と形態の調和と安定であることには論を俟たない. 機能を代表するものが咬合関係であり, 形態を代表するものがプロファイル(側貌)である. 勿論, 咬合機能における左右的調和(バランス)や顎顔面形態における左右対称性も重要な評価の対象となるが, 矢状面における前後的咬合関係(矢状顆路角と切歯路角の関係, セントリックストップとアンテリアーガイダンスの関係等)や上下顎形態関係(前後的・上下的調和)における情報の多様性には及ばない. 言い方を変えれば, 前頭面においては情報量が乏しいので評価は単純だが, 矢状面においては情報量が豊富なので...
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Published in | 日本顎変形症学会雑誌 Vol. 20; no. 4; pp. 320 - 322 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本顎変形症学会
15.12.2010
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ISSN | 0916-7048 |
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Summary: | 「I. はじめに」顎変形症に対する外科的矯正治療の目的は, 機能と形態の調和と安定であることには論を俟たない. 機能を代表するものが咬合関係であり, 形態を代表するものがプロファイル(側貌)である. 勿論, 咬合機能における左右的調和(バランス)や顎顔面形態における左右対称性も重要な評価の対象となるが, 矢状面における前後的咬合関係(矢状顆路角と切歯路角の関係, セントリックストップとアンテリアーガイダンスの関係等)や上下顎形態関係(前後的・上下的調和)における情報の多様性には及ばない. 言い方を変えれば, 前頭面においては情報量が乏しいので評価は単純だが, 矢状面においては情報量が豊富なので評価は複雑・多様であるといえる. 顎変形症における初診時診断では, セファロメトリック・プレディクションとセットアップモデルの二つの位相(phase)の異なるシミュレーションが頭の中でイマジネーションできるか否かで全てが決まる. |
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ISSN: | 0916-7048 |