検診胃バリウム検査におけるカテゴリー分類の検討 読影支援ツール改良への試み

〈背景〉これまで我々は検診胃バリウム検査におけるカテ ゴリー分類の検討を行い,読影支援ツールを作成し,第33 回日本消化器がん検診学会北海道支部放射線技師部会研修 会に報告してきた。(第1報,第2報)。しかし,作成した 読影支援ツールを使用して検診胃バリウム検査の1次読影 を行い,カテゴリー分類を行ったところ問題点が生じ,従 来の読影支援ツールに従じて読影できないということを経 験した。そこで今回,カテゴリー3(良性だが悪性を否定 できない)に相当する部分を中心にカテゴリーツールを改 良しその評価を行った。 〈対象〉平成19年4月から平成20年9月までに当院検診胃 バリウム検査を受け,要精検と...

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Published in日本農村医学会学術総会抄録集 p. 236
Main Authors 野瀬, 弘之, 大野, 竜一, 内田, 多久實, 安藤, 裕介, 東, 弘志, 藤永, 明, 中村, 俊一, 岡崎, 真悟, 福田, 晋久, 菅原, 司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2009
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ISSN1880-1749
1880-1730
DOI10.14879/nnigss.58.0.236.0

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Summary:〈背景〉これまで我々は検診胃バリウム検査におけるカテ ゴリー分類の検討を行い,読影支援ツールを作成し,第33 回日本消化器がん検診学会北海道支部放射線技師部会研修 会に報告してきた。(第1報,第2報)。しかし,作成した 読影支援ツールを使用して検診胃バリウム検査の1次読影 を行い,カテゴリー分類を行ったところ問題点が生じ,従 来の読影支援ツールに従じて読影できないということを経 験した。そこで今回,カテゴリー3(良性だが悪性を否定 できない)に相当する部分を中心にカテゴリーツールを改 良しその評価を行った。 〈対象〉平成19年4月から平成20年9月までに当院検診胃 バリウム検査を受け,要精検となり,胃カメラ検査を施行 した受診者を無作為に50症例抽出した。(ただし,精検等 により最終診断の確定している症例とした) 〈方法と検討項目〉 (1) 読影支援ツールの改良:従来のカテゴリーツールに はひだの集中像の形態情報が不足していたため,今回新た にひだの集中像が領域を持った面に集束するパターン,も しくは領域を持たない線状や点状に集束するパターンに分 類し,追加した。また,再現性の有無の項目も追加し,カ テゴリーツールの詳細化を行った。 (2) 新・読影支援ツールの評価:当院検診胃バリウム検 査を受け,最終診断の確定している50症例について,技師 数名によって新・旧読影支援ツールを用いて読影を行った。 比較項目として,良性病変を良性又は悪性病変を悪性と 読影したものを一致,良性病変を悪性と読影した物を over カテゴリー,悪性病変を良性と読影した物をunder カテゴリーとしてそれぞれ評価を行った。 〈結果及び考察〉一致率が69.5%から81.5%に上昇し, over カテゴリーが30%から18%に減少した。今回カテゴ リー3(良性だが悪性も否定できない)の部分に相当する 読影支援ツールの改良を行ったことで,1次読影の精度向 上かつ偽陽性所見を減少させうる可能性が示唆された。
Bibliography:27-02
ISSN:1880-1749
1880-1730
DOI:10.14879/nnigss.58.0.236.0