研究 Resibufogenin(蟇毒強心ステロイド)の心臓作用 摘出家兎心における房室伝導,心収縮および心室筋膜活動電位への作用

漢i薬センソ(中国産墓の皮膚分泌物)の有効成分の1つである慕毒強心ステ瞬イドの心臓作用をみるために,ランゲンドルフ灌流下の24羽の,家兎摘出心において,心筋張力曲線,心室筋膜活動電位およびHis束心電図を記録し,Resibufogeninのこれらに対する効果を即効性digitalis剤であるStrospesideの効果と比較検討した.Resibufogenin本来の作用は,その溶媒であるPropylene glycolの影響を差し引いて推定したが,次のごとくであった.1)Strospesideと異なり,房室伝導時間への作用はほとんどなかった.2)心収縮性の増大効果を認めたが,Strespesi...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in心臓 Vol. 6; no. 6; p. 811
Main Authors 任, 書煌, 伊藤, 厚士, 豊嶋, 英明, 大熊, 攻, 和田, 正敏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 01.06.1974
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:漢i薬センソ(中国産墓の皮膚分泌物)の有効成分の1つである慕毒強心ステ瞬イドの心臓作用をみるために,ランゲンドルフ灌流下の24羽の,家兎摘出心において,心筋張力曲線,心室筋膜活動電位およびHis束心電図を記録し,Resibufogeninのこれらに対する効果を即効性digitalis剤であるStrospesideの効果と比較検討した.Resibufogenin本来の作用は,その溶媒であるPropylene glycolの影響を差し引いて推定したが,次のごとくであった.1)Strospesideと異なり,房室伝導時間への作用はほとんどなかった.2)心収縮性の増大効果を認めたが,Strespesideとの作用強度の比較は困難であった.3)心室筋膜活動電位1相の勾配を急峻化させる傾向および膜活電位持続時間を延長させる傾向を認めた.これはStrospesideの効果とほぼ同様であった.なお,Propyleke glycolは他の種々の心臓薬にも溶媒として用いられているが,心収縮性の減少,房室伝導抑制作用を有し,溶媒としては問題があると思われる.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.6.6_811