オートアナライザーによる塩素イオンの定量 海塩試料の自動分析に関する研究 (第1報)

テクニコン社製オートアナライザーを用いて, 海水, かん水, 缶内液, にがりおよび生産塩の塩素イオンの定量を行うために, フローダイアグラムを作成し, 比色法による測定条件を検討した. 操作概要は, 次のとおりである. 試料を, まずHNO3溶液と混合し酸性にする. 次にこの溶液を, Hg (SCN) 2とFe (NO3) 3で混合し発色後比色計に送り, 同時に塩素イオン標準 液を測定する. 本法によれば, 0~3,000mg/lの濃度範囲で塩素イオン量と吸光度は直線性を示す. 塩素イオン量の測定に, 本法と従来用いられているモール法とを比較した結果, 同等の精度を示すことが明らかになり,...

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Published in日本海水学会誌 Vol. 31; no. 4; pp. 179 - 183
Main Authors 加納, 隆弘, 杉田, 静雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本海水学会 1977
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Summary:テクニコン社製オートアナライザーを用いて, 海水, かん水, 缶内液, にがりおよび生産塩の塩素イオンの定量を行うために, フローダイアグラムを作成し, 比色法による測定条件を検討した. 操作概要は, 次のとおりである. 試料を, まずHNO3溶液と混合し酸性にする. 次にこの溶液を, Hg (SCN) 2とFe (NO3) 3で混合し発色後比色計に送り, 同時に塩素イオン標準 液を測定する. 本法によれば, 0~3,000mg/lの濃度範囲で塩素イオン量と吸光度は直線性を示す. 塩素イオン量の測定に, 本法と従来用いられているモール法とを比較した結果, 同等の精度を示すことが明らかになり, 変動係数として1%以下のバラツキのない測定値を得ることができた. 測定速度は, 試料の希釈, 調整を除いて連続毎時40点である.
ISSN:0369-4550
2185-9213
DOI:10.11457/swsj1965.31.179