「地産地消」における新たな取り組み 地元のおいしい野菜を病院給食に

『地産地消』における新たな取り組み石井洋子〈SUP〉―1〈/SUP〉(いしいようこ)佐藤作喜子〈SUP〉―1〈/SUP〉・杵淵香純〈SUP〉―1〈/SUP〉・?田奈央子〈SUP〉―1〈/SUP〉菅沼徹〈SUP〉―2〈/SUP〉伊勢原協同病院・栄養室〈SUP〉―1〈/SUP〉・医療技術部〈SUP〉―2〈/SUP〉地産地消・JAとの連携・病院給食〈はじめに〉患者さんに安心して食べられる給食を提供することを目的に平成17年1月から「地産地消」を開始した。今年に入り、中国産ギョーザ事件や中国野菜の残留農薬問題、また原油高騰に起因する穀物類の値上がり、それらを原材料とする製品の値上がりなど、食に対する数...

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Published in日本農村医学会学術総会抄録集 p. 281
Main Authors 菅沼, 徹, 柳田, 奈央子, 杵淵, 香純, 佐藤, 作喜子, 石井, 洋子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2008
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ISSN1880-1749
1880-1730
DOI10.14879/nnigss.57.0.281.0

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Summary:『地産地消』における新たな取り組み石井洋子〈SUP〉―1〈/SUP〉(いしいようこ)佐藤作喜子〈SUP〉―1〈/SUP〉・杵淵香純〈SUP〉―1〈/SUP〉・?田奈央子〈SUP〉―1〈/SUP〉菅沼徹〈SUP〉―2〈/SUP〉伊勢原協同病院・栄養室〈SUP〉―1〈/SUP〉・医療技術部〈SUP〉―2〈/SUP〉地産地消・JAとの連携・病院給食〈はじめに〉患者さんに安心して食べられる給食を提供することを目的に平成17年1月から「地産地消」を開始した。今年に入り、中国産ギョーザ事件や中国野菜の残留農薬問題、また原油高騰に起因する穀物類の値上がり、それらを原材料とする製品の値上がりなど、食に対する数多くの問題が私たちを悩ましている。「地産地消」は、これらの問題を解決してくれる有効な手立ての一つと考えている。今までの取り組みの中で、地元野菜の使用量は増加傾向ではあるが、生産者グループが10人ということもあり、当初考えていたほど使用量の伸びは見られない。より多くの地場野菜を使用するために、新たな取り組みを試みたので報告する。〈BR〉<現在の取り組み>平成17年の取り組み開始時から、毎週水曜日の夜に生産者、JA職員、当院管理栄養士で打ち合わせを実施し、翌週分の野菜の納入者と量の確認をする。その日参加できない生産者は、事前にJA担当者に現在出荷できる野菜について連絡し、決定事項はJAから生産者にファックス連絡確認する。現在、野菜25種類、果物4種類、そして梅干が地場のものとして時季に使用している。3年間でみると、地場野菜の供給量は金額ベースで15%増加し、野菜の材料費は20%下がっている。地場野菜の野菜全体に占める割合は、金額ベースで約30%になっている。今後さらに、地場野菜の使用量を増やしていくことが求められている状況である。□<新たな取り組み>今回地場野菜の取り組みについて生産者にアンケートを実施した。その結果を考慮し、再度JAいせはら野菜部会に野菜納入量を増やすため、生産者募集の提案を行なった。地場野菜グループの意向で、新たにグループのメンバーを増やすことはできず、JAを通して個人的に野菜を納品してもらう方法を選択した。地場野菜グループが年間を通して生産していない商品については、JA野菜直売所へ足を運び目当ての商品から生産者をさがした。野菜生産者への仲介はJAにお願いした。病院で通年使用する野菜についても、季節ごとにJA野菜直売所に行って生産者をさがしだし、JAの担当者に確認をしてもらう方法をとった。その結果、数名の生産者との取引が始まった。〈BR〉<まとめ>「地産地消」のメリットとしては、生産者と顔のみえる関係(安心な関係)が構築できたこと、食材料費に反映という経済的効果、そして一番大きいことは農協の病院が地域の野菜を給食に使用しているという地域との関係がいえる。私たちの取り組みが良い関係で継続していくためには、地元JAいせはらの協力も大きな力になる。新たな取り組みを始めたことで、今後100%を目標に地場野菜を使用し、地域農業の活性化に繋げて行こうと考える。日本の農業を衰退させないため、メイドイン日本の食品を食べること、メイドイン伊勢原の野菜、果物を食べることが大切なことである。
Bibliography:2F234
ISSN:1880-1749
1880-1730
DOI:10.14879/nnigss.57.0.281.0