申し送り時間短縮・定着までのプロセス 6年間の業務委員会関わりの効果

看護における申し送りは、看護を継続するために必要な情報伝達の場としての意義がある。口頭での申し送りは受動的にまとまった情報が得られ、容易に全体的な把握が可能である。しかし、申し送りの時間は患者サイドに看護師が不在となる。A病院の平成14年までの申し送り時間は30分以上でベットサイドに行く時間は9時過ぎであった。送り手は雑談が混じることが多く、受け手は申し送りに頼り自発的に情報収集する姿勢が見受けられないことが多かった。そこで業務委員会として、申し送り時間の短縮・定着を目的に継続的に取り組んできた。 結果、平成14年まで30分以上要した申し送り時間は、20年には13分に短縮された。重症・要注意患...

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Published in日本農村医学会学術総会抄録集 p. 275
Main Authors 小瀧, 志保, 佐々木, 友子, 近野, 洋子, 谷村, さゆ子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2010
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Summary:看護における申し送りは、看護を継続するために必要な情報伝達の場としての意義がある。口頭での申し送りは受動的にまとまった情報が得られ、容易に全体的な把握が可能である。しかし、申し送りの時間は患者サイドに看護師が不在となる。A病院の平成14年までの申し送り時間は30分以上でベットサイドに行く時間は9時過ぎであった。送り手は雑談が混じることが多く、受け手は申し送りに頼り自発的に情報収集する姿勢が見受けられないことが多かった。そこで業務委員会として、申し送り時間の短縮・定着を目的に継続的に取り組んできた。 結果、平成14年まで30分以上要した申し送り時間は、20年には13分に短縮された。重症・要注意患者の申し送りを全員で聞く形に変更し、カンファレンスを導入したことで、情報共有の場となった。チーム申し送り15分以内、チーム申し送り患者5人以内と段階的に短縮し、平成20年にはチーム申し送り廃止に至った。これは、申し送り基準を作成し段階的な見直しを行いながら申し送り形態の変更を徐々に行ったことにより、スタッフが抵抗なく受け入れることが出来たためと考える。また、委員による年2回の基準の読み合わせを行ったことは時間や留意点の再確認となり、スタッフの意識の変化につながり、情報収集を工夫し、フリーシートの有効活用を行えるようになった。さらに、病棟訪問を行い、タイムスタディを実施しフィードバックしたことは、スタッフの刺激となり基準遵守の姿勢につながった。 6年にわたり、業務委員が中心となり、継続した申し送りについての様々な取り組みが時間の短縮・定着に結びついた。
Bibliography:P1-G5-4
ISSN:1880-1749
1880-1730
DOI:10.14879/nnigss.59.0.275.0