北海道のカボチャ産地におけるドローンを用いた防除実証試験

北海道檜山郡厚沢部町のカボチャ生産者を対象に,うどんこ病のドローン撮影AI画像診断と農薬散布用ドローンの導入による省力・軽労化効果について調査した. ドローン飛行方法や撮影方法を改善した結果,うどんこ病班が大と健全の場合の正答率は,それぞれ0.867,0.973と高かったが,うどんこ病斑・小の場合は,0.115と低かった.また,撮影・診断・表示までの作業を2 ha当たり30分弱で終了することを実証し,衛星測位で正確なうどんこ病発生位置情報の収集が可能となった.ドローンによる防除作業時間は,圃場と給水施設が隣接していない半径3 km以内に点在する6 haの3圃場に防除作業する場合,ブームスプレー...

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Published in農研機構研究報告 Vol. 2025; no. 22; p. 1
Main Authors 房安 功太郎, 井上 康宏, 細山 隆夫, 中村 卓司, 川上 顕, 奥野 林太郎, 鮫島 啓彰, 岩崎 亘典
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 14.07.2025
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ISSN2434-9895
2434-9909
DOI10.34503/naroj.2025.22_1

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Summary:北海道檜山郡厚沢部町のカボチャ生産者を対象に,うどんこ病のドローン撮影AI画像診断と農薬散布用ドローンの導入による省力・軽労化効果について調査した. ドローン飛行方法や撮影方法を改善した結果,うどんこ病班が大と健全の場合の正答率は,それぞれ0.867,0.973と高かったが,うどんこ病斑・小の場合は,0.115と低かった.また,撮影・診断・表示までの作業を2 ha当たり30分弱で終了することを実証し,衛星測位で正確なうどんこ病発生位置情報の収集が可能となった.ドローンによる防除作業時間は,圃場と給水施設が隣接していない半径3 km以内に点在する6 haの3圃場に防除作業する場合,ブームスプレーヤより作業時間は26%短縮された.ドローンによるつる枯病防除効果は,ブームスプレーヤよりやや劣るが,無防除と比較して十分に防除効果があった.ブームスプレーヤとドローンによる防除が収量におよぼす影響は,気象,移植時期や収穫時期の年時間差異の影響と比べて小さいと考えられた.ドローン1台当たりの散布可能面積は,散布日数7日で実証農家の全カボチャ圃場53.6 haに薬剤を散布可能であると推定された.
ISSN:2434-9895
2434-9909
DOI:10.34503/naroj.2025.22_1