当院におけるがん化学療法のリスクマネージメント コンピューターによるレジメン管理
〈はじめに〉当院では,平成18年7月から一部の病棟の抗 がん剤の混合調製を開始し,平成20年10月からは全病棟・ 全外来診療科を対象に抗がん剤の混合調製を行っている。 これまで当院ではがん化学療法レジメンを紙媒体で管理し てきたが,申請済レジメン数は160を超え,紙媒体での管 理が困難になってきた。今回,当院薬剤部で考案したMicrosoft Accessを用いたレジメン管理とリスクマネージメ ントを重視した多段階のチェックシステムによる抗がん剤 調製業務を紹介する。 〈Microsoft Accessによるレジメン管理〉レジメン名, 使用診療科名,適応疾患名,1コース期間,総コース数, 使用...
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Published in | 日本農村医学会学術総会抄録集 p. 421 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本農村医学会
2009
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Subjects | |
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ISSN | 1880-1749 1880-1730 |
DOI | 10.14879/nnigss.58.0.421.0 |
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Summary: | 〈はじめに〉当院では,平成18年7月から一部の病棟の抗 がん剤の混合調製を開始し,平成20年10月からは全病棟・ 全外来診療科を対象に抗がん剤の混合調製を行っている。 これまで当院ではがん化学療法レジメンを紙媒体で管理し てきたが,申請済レジメン数は160を超え,紙媒体での管 理が困難になってきた。今回,当院薬剤部で考案したMicrosoft Accessを用いたレジメン管理とリスクマネージメ ントを重視した多段階のチェックシステムによる抗がん剤 調製業務を紹介する。 〈Microsoft Accessによるレジメン管理〉レジメン名, 使用診療科名,適応疾患名,1コース期間,総コース数, 使用薬品・投与量・投与方法・投与時間・投与日,備考 (減量規定,前投薬など)を登録。 レジメン名・使用薬品・診療科からレジメンの検索が可 能。 〈抗がん剤調製業務〉 ・調製前日の業務(薬剤師A・B) レジメンのチェック,薬歴管理(手書き),注射薬個人 セット,調製用シートの作成・監査 ・調製当日の業務(薬剤師C・D,看護師) 調製用シート・注射薬個人セットの監査,前投薬・検査 データチェック 抗がん剤調製・監査,薬剤師・看護師による使用薬剤確 認→引渡し→化学療法施行 〈今後の課題〉コンピューターによる患者個人の薬歴管 理,レジメン管理との連動,患者への服薬指導の充実。レ ジメン審査委員会(化学療法委員会内)の充実,がん専門 薬剤師の資格取得。 〈まとめ〉コンピューターによるレジメン管理を行うこと で,以前よりもレジメン検索・チェックが容易になり,業 務がより円滑に行えるようになった。また各薬剤毎の チェック項目を付けた調製用シートを用いることで,調製 時の患者情報の共有と調製手技の統一ができた。更に複数 の薬剤師・看護師を含めた多段階のチェックを行うことに より,調製ミス・過量投与等のリスクが軽減され,リスク マネージメントの効果も大きいのではないかと考える。今 後も薬剤師としての職能を生かし,がん化学療法に貢献し ていきたい。 |
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Bibliography: | P2-C320 |
ISSN: | 1880-1749 1880-1730 |
DOI: | 10.14879/nnigss.58.0.421.0 |