フェイスダウンを妨げる日常生活動作の要因と今後の課題 患者体験を実施して

【はじめに】硝子体手術でガス注入が行われると、術後一定期間、臥床時は腹臥位、移動時は自己の臍や足元を見る様に、頭を下げた姿勢(以下フェイスダウンと略す)を常時行わなければならない。フェイスダウンの確実な実施は術後の経過に影響を与える為、フェイスダウンを常時継続できるよう適した環境を整える必要がある。その為、看護師がフェイスダウン中の日常生活動作を体験することで患者の感じる不便さを明らかにしていきたいと考えた。【研究方法】1.期間:平成22年9月~11月2.対象:眼科、神経内科、腎臓内科混合病棟看護師 26名3.データ収集:アンケートは独自に作成した質問用紙にてプレテスト後、片目をガーゼで覆い、...

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Published in日本農村医学会学術総会抄録集 p. 393
Main Authors 伊藤, 貴子, 西尾, 千恵子, 伊藤, 真紀, 林, 房世
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2011
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ISSN1880-1749
1880-1730
DOI10.14879/nnigss.60.0.393.0

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Summary:【はじめに】硝子体手術でガス注入が行われると、術後一定期間、臥床時は腹臥位、移動時は自己の臍や足元を見る様に、頭を下げた姿勢(以下フェイスダウンと略す)を常時行わなければならない。フェイスダウンの確実な実施は術後の経過に影響を与える為、フェイスダウンを常時継続できるよう適した環境を整える必要がある。その為、看護師がフェイスダウン中の日常生活動作を体験することで患者の感じる不便さを明らかにしていきたいと考えた。【研究方法】1.期間:平成22年9月~11月2.対象:眼科、神経内科、腎臓内科混合病棟看護師 26名3.データ収集:アンケートは独自に作成した質問用紙にてプレテスト後、片目をガーゼで覆い、フェイスダウンを保持し、設定した条件に沿い、日常生活動作を体験後、自記式質問紙にて調査。4.分析方法:単純集計5.倫理的配慮:院内の倫理委員会にて承認を得て行った。 【結果・考察】アンケート結果より、飲水という行為自体が顔を挙上しなければ難しく、咽頭部を圧迫する体位の為、嚥下に困難を生じている。嚥下困難以外に孤独感、おいしくないという食欲低下に繋がることも明らかになった。ロッカーや床頭台の使用は、ロッカー上段と床頭台使用で半数以上が実施に不便を感じている。フェイスダウンの状態では自分自身の目線以上の確認や、見えない所への出し入れは困難を生じ、手探りでの動作は、落下等の危険も伴う為、不便となっている。TVの視聴は、目が疲れない程度なら許可されているが、実際はTVの視聴は困難であった。昼間に気分転換を図ることは重要であり、フェイスダウンをしたまま見ることの出来るTVなどハード面の検討も必要である。 今回、フェイスダウン継続により様々な不便を生じることが明らかとなった。今後は外来と連携、情報提供をすることにより、フェイスダウンを確実に安全安楽に実施できるよう援助していく必要がある。
Bibliography:2J-A-23
ISSN:1880-1749
1880-1730
DOI:10.14879/nnigss.60.0.393.0