食塩の壁面摩擦係数について 食塩の粉体流動特性 (第2報)

食塩の装置内での流動を把握するために, 装置壁面摩擦特性を, 試作プレス圧縮式リングせん断試験機を使用して測定した, 壁面材料として, 冷間圧延ステンレス304, および硬質塩化ビニルを使用した.また, 吸湿した食塩についての水分の影響をも検討した結果, 以下の知見を得た. 1) ステンレスに対する壁面摩擦係数は, 初期垂直応力によらず, ほぼ0.25で, クーロンの法則が成り立つ. 2) 吸湿水分の影響については, 内部摩擦特性の場合と異なり, 水分量の差の影響は見られなかった. しかし, 吸湿させないもとの食塩は, 5g/cm2以下の低応力域において, 吸湿させた食塩よりも小さい摩擦係数を...

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Published in日本海水学会誌 Vol. 40; no. 4; pp. 222 - 225
Main Authors 伊ケ崎, 文和, 河村, 光隆, 後藤, 昭博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本海水学会 1986
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ISSN0369-4550
2185-9213
DOI10.11457/swsj1965.40.222

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Summary:食塩の装置内での流動を把握するために, 装置壁面摩擦特性を, 試作プレス圧縮式リングせん断試験機を使用して測定した, 壁面材料として, 冷間圧延ステンレス304, および硬質塩化ビニルを使用した.また, 吸湿した食塩についての水分の影響をも検討した結果, 以下の知見を得た. 1) ステンレスに対する壁面摩擦係数は, 初期垂直応力によらず, ほぼ0.25で, クーロンの法則が成り立つ. 2) 吸湿水分の影響については, 内部摩擦特性の場合と異なり, 水分量の差の影響は見られなかった. しかし, 吸湿させないもとの食塩は, 5g/cm2以下の低応力域において, 吸湿させた食塩よりも小さい摩擦係数を示した. 20g/cm2以上の応力域では, その差は見られなくなった. 3) 硬質塩化ビニルに対する壁面摩擦係数は0.38とステンレスよりも大きな値とな り, 流動性から見た壁面材料としてはよくない ことがわかった. 4) ステンレスと硬質塩化ビニルの壁面摩擦特性が, 食塩の流動に及ぼす影響について, 得られた資料を利用し, 垂直円管管内の重力流動をモデルとして, 内部食塩粉粒体圧を検討した. その結果, 食塩粉粒体層では, 深くなるほど, 壁面の影響が大きくなり, 十分 深い部分の粉粒体圧の比は, 壁面摩擦係数の比に等しくなる.
ISSN:0369-4550
2185-9213
DOI:10.11457/swsj1965.40.222