胆道気腫を伴う胆管拡張に経皮経肝胆道ドレナージ(PTCD)を施行した2例 超音波担当技師の取り組み

〈背景〉PTCD は,閉塞性黄疸に減黄処置として超音波(US)誘導下で行なわれることが多い。当院では,医師と技師とが連携してPTCD に取り組んでおり,技師はUS探触子で穿刺ラインを選択し,医師はそのライン上で胆管穿刺を行なっている。PTCD の手順は通常,穿刺針で拡張を伴う胆管穿刺後,穿刺針の内筒を抜いた時に胆管内圧で起こる胆汁の逆流を確認してからガイドワイヤーを挿入する。今回報告する症例は,胆道気腫の存在により,胆汁の逆流を確認することが期待できなかった。胆道気腫は,胆道系や膵頭部の手術既往者にみられることが多く,胆管内に空気が存在している状態ありUS では,空気による線状高エコーや音響陰...

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Published in日本農村医学会学術総会抄録集 p. 196
Main Authors 根本, 将典, 根本, 宏之, 藤咲, 賢, 藤本, 由貴, 平野, さおり, 平井, 正幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2011
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ISSN1880-1749
1880-1730
DOI10.14879/nnigss.60.0.196.0

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Summary:〈背景〉PTCD は,閉塞性黄疸に減黄処置として超音波(US)誘導下で行なわれることが多い。当院では,医師と技師とが連携してPTCD に取り組んでおり,技師はUS探触子で穿刺ラインを選択し,医師はそのライン上で胆管穿刺を行なっている。PTCD の手順は通常,穿刺針で拡張を伴う胆管穿刺後,穿刺針の内筒を抜いた時に胆管内圧で起こる胆汁の逆流を確認してからガイドワイヤーを挿入する。今回報告する症例は,胆道気腫の存在により,胆汁の逆流を確認することが期待できなかった。胆道気腫は,胆道系や膵頭部の手術既往者にみられることが多く,胆管内に空気が存在している状態ありUS では,空気による線状高エコーや音響陰影が妨げとなり胆管内腔の情報がつかみにくいのが特徴である。 〈症例1〉2007年7月,消化器内科医よりUS 誘導下でのPTCD 依頼を受けた。US では胆道気腫による音響陰影から胆管拡張が確認できずPTCD 困難と判断した。この時点で技師が他画像を参照することが容易ではなかった。後日,医師がCT 画像を持参し胆道気腫に伴う胆管拡張部を指摘した。CT 画像から胆管拡張部をUS で同定することでPTCD を施行できた。 〈症例2〉2011年5月,消化器内科医より,US 誘導下でのPTCD 依頼を受けた。2010年7月からは放射線画像情報システム(PACS)が稼働しており,技師もPACS から他画像の参照が容易であった。CT 画像から胆道気腫を伴う胆管拡張を確認しPTCD 可能と判断した。US では,線状高エコーが観察され胆管拡張の把握は困難であったがCT 画像から胆管拡張部をUS で同定しPTCD を施行した。 〈まとめ〉あらかじめPTCD 施行前にCT/MR などの他画像で病態が検討できたことにより,胆道気腫を伴う胆管拡張に対してもUS 誘導下PTCD を完遂できた2例を報告した。
Bibliography:2C-12
ISSN:1880-1749
1880-1730
DOI:10.14879/nnigss.60.0.196.0