新生児ドクターカー導入のネットワーク構築の取り組み 担当事務の役割
〈はじめに〉三河地域初の総合周産期母子医療センター「以下センター」設立に伴い、県内唯一の新生児ドクターカーの導入が決定された。新生児搬送は、即人命に関わるため、迅速性と正確性が要求される。また、搬送システムを円滑に運用するためには、ネットワークの構築が不可欠であった。今回は医師、看護師等と共に行った取り組みを紹介する。 〈方法〉1)県内の分娩施設を抽出し、今までの実績を元に対応医療圏を決定した。 2)医師と共に分娩施設を訪問し、地図上だけで無く、当院~分娩施設までの道路状況の確認・分娩施設の周辺環境の写真撮影・院内動線、蘇生環境を徹底的に調査し、医療機関ファイルを作成した。 3)電話応対後5分...
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Published in | 日本農村医学会学術総会抄録集 p. 489 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本農村医学会
2011
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1880-1749 1880-1730 |
DOI | 10.14879/nnigss.60.0.489.0 |
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Summary: | 〈はじめに〉三河地域初の総合周産期母子医療センター「以下センター」設立に伴い、県内唯一の新生児ドクターカーの導入が決定された。新生児搬送は、即人命に関わるため、迅速性と正確性が要求される。また、搬送システムを円滑に運用するためには、ネットワークの構築が不可欠であった。今回は医師、看護師等と共に行った取り組みを紹介する。 〈方法〉1)県内の分娩施設を抽出し、今までの実績を元に対応医療圏を決定した。 2)医師と共に分娩施設を訪問し、地図上だけで無く、当院~分娩施設までの道路状況の確認・分娩施設の周辺環境の写真撮影・院内動線、蘇生環境を徹底的に調査し、医療機関ファイルを作成した。 3)電話応対後5分以内に出動できるように、全スタッフの動線を踏まえた運用図及び連絡用紙を作成した。 4)運用の周知徹底の為、運転手・関係医療機関への説明会を実施した。 5)作成した運用の問題点の確認、又迅速かつ正確に対応できるよう出動訓練を実施した。 6)病院から分娩施設までの位置関係をスタッフが共有できるようにセンター内に、搬送区域の地図を可視化した。 〈結果〉新生児ドクターカーは平成22年8月より23年3月末までの8カ月間に115件(迎え102件)の出動があった。訪問施設25件の内、19施設からの依頼があり、平成22年12月には、新たに助産院が1件ネットワークに加入した。 〈考察〉当院の救急車による児搬送の平均は、年約83件(過去3年)であり、出動件数は予想以上であった。これは事前の周知と入念な下準備が基盤となり、更に稼働後の適切な応対が功を奏し、迅速性、正確性が分娩施設からの信頼を得たものと推考する。また、初の試みであるネットワーク構築に向けて、スタッフ間の話し合いに事務職員が参加する事が各職種の調整役になったと思われる。今後は、更に地域医療機関と当院との双方の意見を集約し改善点を提案する事が事務としての役割であると考える。 |
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Bibliography: | 2J-E-19 |
ISSN: | 1880-1749 1880-1730 |
DOI: | 10.14879/nnigss.60.0.489.0 |