当院におけるフィルムレスへの取り組み 集計報告

〈緒言〉近年、医用画像の管理体制が注目され、急速なデジタル撮影装置の普及により膨大な医用画像情報を管理するシステムの構築が不可欠となっている。厚生労働省は、診療報酬の見直しの度に医療情報のデジタル化と病院全体の医用画像管理システム(PACS)導入を推進している。当院では、これまで医用画像情報をデジタル保存しながらもフィルム出力している状況であった。2009年4月よりデジタル画像を可搬媒体であるCDに保存し他施設へ提供する運用を開始し、2010年4月より一部を除きフィルムレス導入を行った。本稿では、当院における画像情報のフィルムレス移行に伴う効果について報告する。 〈方法〉2009年度の当院放射...

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Published in日本農村医学会学術総会抄録集 p. 438
Main Authors 長沼, 敏彦, 上條, 謙, 松本, 好正, 小俣, 正, 宮本, 弘樹, 山岡, 康人, 杉谷, 匡彦, 岡本, 英明, 高村, 伸二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2010
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ISSN1880-1749
1880-1730
DOI10.14879/nnigss.59.0.438.0

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Summary:〈緒言〉近年、医用画像の管理体制が注目され、急速なデジタル撮影装置の普及により膨大な医用画像情報を管理するシステムの構築が不可欠となっている。厚生労働省は、診療報酬の見直しの度に医療情報のデジタル化と病院全体の医用画像管理システム(PACS)導入を推進している。当院では、これまで医用画像情報をデジタル保存しながらもフィルム出力している状況であった。2009年4月よりデジタル画像を可搬媒体であるCDに保存し他施設へ提供する運用を開始し、2010年4月より一部を除きフィルムレス導入を行った。本稿では、当院における画像情報のフィルムレス移行に伴う効果について報告する。 〈方法〉2009年度の当院放射線室で施行されたフィルム運用の集計結果をもとに、2010年度のフィルムレス導入後のフィルム出力・CD出力の集計結果を比較検討した。 〈結果〉フィルム運用であった2009年度4月とフィルムレス導入後からの2010年度4月の単月比較では、総フィルム出力枚数は約92%減少となり、CD出力は、約5倍の増加となった。また、入院患者フィルム出力枚数は、単月で約80%減少となった。 〈考察〉フィルムレス導入によりフィルム納入費用の大幅減少と診断郡分類(DPC)に基づく包括点数評価での持出フィルム(個別請求できないフィルム)の削減が可能となった。また、外部紹介画像媒体としてフィルムより安価で搬送・管理・運用などの利便性からCD出力が増加している。電子画像管理加算の加点部分を考慮すると従来よりフィルム出力が減少されることが望まれる。当院では、フィルムレス導入が必要不可欠であり、撮影された画像を電子化し管理することが重要となっている。
Bibliography:P2-G1-2
ISSN:1880-1749
1880-1730
DOI:10.14879/nnigss.59.0.438.0