「家族看護ケアマニュアル」の作成を目指して ICU入室患者の家族に対する満足度調査結果を通して?

〈はじめに〉脳神経外科病棟での緊急入院患者の家族を支 援していく看護師の役割は重要である。そこで看護師が経 験にとらわれず,家族看護ケアが提供できるよう「家族看 護ケアマニュアル」を作成する為に,家族を対象に満足度 調査を実施し現状調査を行なったので報告する。 〈研究方法〉期間:2008年8月~12月。対象:9月,ICU に3日以上入院した患者の家族で同意が得られた11名。 方法:看護師の家族への対応に関する質問紙調査を実施した。 〈倫理的配慮〉個人情報の保護に努め,同意が得られた家 族に実施した。 〈結果〉調査の結果,満足度が比較的高かった項目は,「最 善のケア(看護)が患者様になされている...

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Published in日本農村医学会学術総会抄録集 p. 265
Main Authors 海老沢, 弥生, 野島, 美樹恵, 小野, 朋子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2009
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ISSN1880-1749
1880-1730
DOI10.14879/nnigss.58.0.265.0

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Summary:〈はじめに〉脳神経外科病棟での緊急入院患者の家族を支 援していく看護師の役割は重要である。そこで看護師が経 験にとらわれず,家族看護ケアが提供できるよう「家族看 護ケアマニュアル」を作成する為に,家族を対象に満足度 調査を実施し現状調査を行なったので報告する。 〈研究方法〉期間:2008年8月~12月。対象:9月,ICU に3日以上入院した患者の家族で同意が得られた11名。 方法:看護師の家族への対応に関する質問紙調査を実施した。 〈倫理的配慮〉個人情報の保護に努め,同意が得られた家 族に実施した。 〈結果〉調査の結果,満足度が比較的高かった項目は,「最 善のケア(看護)が患者様になされていると感じられまし たか」では,満足であるが73%であり,「初めてICU に入 る前に環境や面会についての説明はありましたか」では, 満足であるが82%であった。 満足度の低かった項目は,「患者様への接し方について 教えてもらえましたか」では,不満であるが18%,「患者 様に行われている処置やケアなど看護計画についてわかり やすい言葉での説明がありましたか」では,不満であるが 27%であった。 〈考察〉脳卒中は突然の発症が多く,意識障害や機能障害 などによる家族の衝撃には計り知れないほど大きなものが ある。たくさんの点滴や医療機器につながれた患者の姿を 見て家族は患者の状態の不安定さに一喜一憂している状況 である。満足度調査の結果,危機状態にある患者と家族の 心理状態を理解した患者への接し方の指導が不足している ことが理解できた。また,家族アセスメントを明確にし て,家族の必要としている援助ニーズに応えられるよう に,看護計画を立案していくことが重要である。今後,以 上のことを織り交ぜたマニュアルを作成していきたいと考 える。
Bibliography:P1-A106
ISSN:1880-1749
1880-1730
DOI:10.14879/nnigss.58.0.265.0