当院人間ドック受診者のメタボリックシンドロームの検討 腹囲・BMIと血圧・脂質・血糖の関係について

<はじめに>人間ドック受診者に腹囲の測定を実施し、血圧、脂質、血糖の関係について検討、メタボリックシンドロームの該当者の存在について調査した。また腹囲を肥満(BMI25以上)に置き換えたときの検査有所見率についても調査、検討したので報告する。 <対象と方法>対象はH17年6月からH18年2月までの当院人間ドック受診者1992 名(男性1090 名、女性902名)とする。診断基準は日本内科学会総会8学会合同ガイドラインに基づいて実施した。検査有所見率の比較については腹囲(男性85cm以上、女性90cm以上)をA群、(男性85cm未満、女性90cm未満)をB群として血圧、脂質、血糖について、男女別...

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Published in日本農村医学会学術総会抄録集 p. 321
Main Authors 池田, 梢, 小池, 智子, 西成, 民夫, 西村, 茂樹, 木内, 一美, 佐藤, 涼子, 能藤, さと子, 安保, まり子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2006
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ISSN1880-1749
1880-1730
DOI10.14879/nnigss.55.0.321.0

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Summary:<はじめに>人間ドック受診者に腹囲の測定を実施し、血圧、脂質、血糖の関係について検討、メタボリックシンドロームの該当者の存在について調査した。また腹囲を肥満(BMI25以上)に置き換えたときの検査有所見率についても調査、検討したので報告する。 <対象と方法>対象はH17年6月からH18年2月までの当院人間ドック受診者1992 名(男性1090 名、女性902名)とする。診断基準は日本内科学会総会8学会合同ガイドラインに基づいて実施した。検査有所見率の比較については腹囲(男性85cm以上、女性90cm以上)をA群、(男性85cm未満、女性90cm未満)をB群として血圧、脂質、血糖について、男女別に比較し、同じようにBMI25以上をC群、25未満をD群とした場合においても 比較した。 <結果>腹囲(男性85cm以上、女性90cm以上)の割合,男性では1090名中531名(48.6%)、女性は902名中42名(4.7%)で、どの年代においても男性の割合が高く、有意差を認めた。  メタボリックシンドローム該当者は男性1092名中238名(21.8%)、女性では902名中14名(1.6%)と男性に比べ顕著に低くどの年代においても男性が有意に高率だった。  男性の腹囲別にみた有所見者の割合では、血圧・脂質・血糖の順でA群がB群より有意に高率で、女性においても同様の傾向を示したが、いずれの項目も有意差は認めなかった。  BMI25以上の割合においては男性ではどの年代も3割前後であったが、女性においては年代とともに増加傾向を示し、60才以上では男性と同等の割合であった。  BMI別にみた検査有所見の割合、男性においては血圧、血糖の2項目においてC群がD群より有意に高率であったが女性においては3項目すべてC群が有意に高率であった。 <考察> メタボリックシンドローム該当者は、男性に多く、女性はどの年代においても低率であったこと、腹囲別にみた検査有所見の割合ではA群がB群より有意に高率であったことから腹囲の増大・内臓脂肪の蓄積は血圧、脂質、血糖が関連すると考えられ、男性においては腹囲の管理が重要と考えられる。  BMI別にみた検査有所見の割合、男性では血圧、血糖の2項目においてC群がD群より有意に高率であったが、女性においては3項目すべてにおいてC群が有意に高率であった。これらのことから、男性においては腹囲の管理が重要であると思われるが、女性においては腹囲が90cm以上の該当者が少数なため、メタボリックの診断基準から除外される多くの対象者について検討し、内臓脂肪がない場合でも、リスクの重積を考えなければならないと感じる。
Bibliography:2G109
ISSN:1880-1749
1880-1730
DOI:10.14879/nnigss.55.0.321.0