A病棟の術前オリエンテーションにおける術前不安表出の実態調査 患者及び看護師のアンケートより

<緒言>A病棟では、パンフレットを用いて術前オリエンテーション(以下術前オリとする)を行っているが、振り返りや評価がなされておらず、施行時期や場所は様々であり、看護師の術前オリに対する意識の違いがあると考えられた。そこで、術前オリの場が患者の不安表出に有効となり不安のある患者にとって不安軽減につながっているか、また問題点はないか調査し、今後の術前オリのあり方について方向性を見い出したので報告する。用語の定義・不安表出:不安についての言葉の表れ <方法> 1 研究対象 1) 術前オリを受けた後全身麻酔下で手術を受けたA病棟入院患者(緊急手術患者・認知症患者・小児患者・術後...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本農村医学会学術総会抄録集 p. 179
Main Authors 矢島, 広美, 渡辺, 厚子, 中嶋, 一二三, 益田, 和美, 加納, 一二三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2006
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1880-1749
1880-1730
DOI10.14879/nnigss.55.0.179.0

Cover

More Information
Summary:<緒言>A病棟では、パンフレットを用いて術前オリエンテーション(以下術前オリとする)を行っているが、振り返りや評価がなされておらず、施行時期や場所は様々であり、看護師の術前オリに対する意識の違いがあると考えられた。そこで、術前オリの場が患者の不安表出に有効となり不安のある患者にとって不安軽減につながっているか、また問題点はないか調査し、今後の術前オリのあり方について方向性を見い出したので報告する。用語の定義・不安表出:不安についての言葉の表れ <方法> 1 研究対象 1) 術前オリを受けた後全身麻酔下で手術を受けたA病棟入院患者(緊急手術患者・認知症患者・小児患者・術後不穏患者を除く) 2)A病棟勤務看護師 2 研究期間H17年8月1日ー11月30日 3 調査方法及び調査内容 独自のアンケート用紙(患者用・看護師用)を作成し、患者用は術後5日目に記入後回収。 4 倫理的配慮 研究の主旨及びプライバシーの保持と得られた内容は本研究の目的以外には使用しない事を説明し同意を得た。患者用は不安表出の有無と以下の1)ー8)を記述統計及びχ2検定 1) 性別 2)術前オリを受けた人 3) 術前オリを受けた場所 4) 術前オリ施行看護師5) 手術承諾書記入時期 6) 術前オリ施行時期 7) 術前オリに対する印象 8) 術前オリ施行後の手術に対する気持ちの変化看護師用は以下の1)ー3)を記述統計1) 経験年数 2) 術前オリ施行場所への配慮の有無3) 実際の術前オリの施行場所と内容 <結果>患者アンケートにおける有効回答数28名(回収率93%)平均年齢65.8歳(SD±11.9)そのうち術前不安があった患者16名(57.1%)。不安表出あり9名(56.2%)・不安表出7名(43.8%)。 看護師アンケートにおける有効回答数18名(回収率90%)。不安表出の有無と、分析方法1)ー8)を検定した結果、いずれも有意差はなかったが、術前オリ施行看護師が担当看護師でない場合と、術前オリを手術前日に行った場合において、不安表出されない傾向があった。入院後に医師から手術の説明を聞き、患者なりの覚悟や心の準備をする期間が短く、手術前日の術前オリ施行は、看護師の業務的もしくは一方的なものになりがちとなっていたのではないかと考えられる。また、術前オリ施行場所に配慮している看護師15名(83.3%)だったが、実際にはプライバシーの保護されてない場所で術前オリ施行している看護師8名(44.4%)であったため、今後は完全なプライバシー保護下で担当看護師が行うことが望ましい。術前オリ内容について、自己の知識や経験から術前術後の流れを付加してより詳しく説明している看護師が17名(94.4%)だが、付加内容の統一がなく、今後検討の必要がある。入院期間の短縮により、手術前日に入院する患者が増えたため、短期間に集中した説明が続くが、患者の声や思いを聞きだし理解が深まる術前オリの確立が今後の課題である。
Bibliography:1G604
ISSN:1880-1749
1880-1730
DOI:10.14879/nnigss.55.0.179.0