整形外来看護師の役割と連携 先天性股関節脱臼患児が手術に至った症例から考える
<はじめに> わが国における先天性股関節脱臼の発生率は、0.1~0.2%といわれている。当院では、年間約90名の児が開腓制限を指摘され受診している。そのうちリーメンビューゲル装具装着は11名、整復手術に至った症例は1名であった。その1例の初回受診から手術に至るまでの5ヶ月間に焦点をあて情報を整理し、課題を明確にすることで外来看護師としての役割を再認識できると考え研究に取り組んだ。<事例紹介> 患児M・女児 1歳 家族構成 両親 兄2歳 祖父母との6人暮らし 母親はあまり器用ではなく養育能力が低いため、主な養育者は祖母となっている。<経過> 生後2週間ですでにおむつかぶれがひどく小児科外来を受診...
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Published in | 日本農村医学会学術総会抄録集 p. 315 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本農村医学会
2010
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1880-1749 1880-1730 |
DOI | 10.14879/nnigss.59.0.315.0 |
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Summary: | <はじめに> わが国における先天性股関節脱臼の発生率は、0.1~0.2%といわれている。当院では、年間約90名の児が開腓制限を指摘され受診している。そのうちリーメンビューゲル装具装着は11名、整復手術に至った症例は1名であった。その1例の初回受診から手術に至るまでの5ヶ月間に焦点をあて情報を整理し、課題を明確にすることで外来看護師としての役割を再認識できると考え研究に取り組んだ。<事例紹介> 患児M・女児 1歳 家族構成 両親 兄2歳 祖父母との6人暮らし 母親はあまり器用ではなく養育能力が低いため、主な養育者は祖母となっている。<経過> 生後2週間ですでにおむつかぶれがひどく小児科外来を受診。その後も経過を見ていたが、再診が定期的に行われない、清潔ケア不足などにより症状が改善せず養育能力が低いことを考慮して、医療ソーシャルワーカー(以下MSW)を介して地域保健師に介入依頼された。しかし、保健師による訪問は2回のみであった。 3ヶ月検診時に股関節開腓制限を指摘され整形外科外来を受診し、リーメンビューゲル装具装着となった。その後定期受診が行われず、5ヶ月後の受診時には症状が悪化し、手術に至った。<結果> 外来看護師、MSW、地域保健師それぞれの連携がなかったこと、外来看護師としての問題意識が低かったことが今回の症状悪化及び手術に至った問題点であることが明確となった。<考察> 医師をはじめ、それぞれが専門的立場から情報を提供し、治療が継続できる環境をサポートするための連携が必要であった。この症例から、以下のことが課題として明確になった。1、問題意識向上のための学習、事例検討会の開催2、アセスメント能力向上のための学習3、アセスメントシートの作成<おわりに> 今回の症例を振り返り、外来看護師としての役割として明確になった課題に取り組んでいきたい。 |
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Bibliography: | P2-B3-1 |
ISSN: | 1880-1749 1880-1730 |
DOI: | 10.14879/nnigss.59.0.315.0 |