Mutans streptococciの検出,算定用に最良の選択培地-MSB改良培地
【目的】Mutans streptococci(MS)の選択培地であるGoldらのMSB培地は, MSに対する選択性に欠陥があり, しばしばMS以外の菌種が増殖し, 誤った研究結果を生む原因となっている. 最近, その欠点を改善したグラミシジンD添加MSB培地(改良培地)がビーエムエル社により開発され, 臨床検査に使用されている. 本研究は当該改良培地の有用性を確認する目的で, 臨床試料中のS. mutans(Sm), S. sobrinus(Ss)及びMS以外の菌(Non-MS)の生菌数を改良培地と従来培地を用いて算定, 比較した. 【方法】学部学生52名の歯垢懸濁液を改良培地(ビーエムエル...
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Published in | 歯科基礎医学会雑誌 Vol. 43; no. 5; p. 608 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
歯科基礎医学会
20.08.2001
Japanese Association for Oral Biology |
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ISSN | 0385-0137 |
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Summary: | 【目的】Mutans streptococci(MS)の選択培地であるGoldらのMSB培地は, MSに対する選択性に欠陥があり, しばしばMS以外の菌種が増殖し, 誤った研究結果を生む原因となっている. 最近, その欠点を改善したグラミシジンD添加MSB培地(改良培地)がビーエムエル社により開発され, 臨床検査に使用されている. 本研究は当該改良培地の有用性を確認する目的で, 臨床試料中のS. mutans(Sm), S. sobrinus(Ss)及びMS以外の菌(Non-MS)の生菌数を改良培地と従来培地を用いて算定, 比較した. 【方法】学部学生52名の歯垢懸濁液を改良培地(ビーエムエル社製)と従来培地にスパイラルシステムにて塗抹し, 嫌気培養後, 実体顕微鏡下でSm, Ss及びNon-MSの生菌数を集落形態を指標に算定した. なお識別困難な非典型集落株については固着性, 菌体凝集性, ELISA, ストレプトグラム等の各種同定試験後に算定を行った. 【結果】いずれの培地においても52名中49名の試料からSmが, そのうち13名の試料からはSsが同時に検出された. SmとSsの検出菌数は両培地間で大差は無かったが, いずれの菌も改良培地のほうが若干高い値を示した. 一方, 改良培地と従来培地におけるNon-MSの検出頻度と検出菌数比には顕著な差異(それぞれ22%:96%, 1:176)が認められた. 【結論】MSB改良培地はMSの検出, 算定用に最良の培地であることが確認された. |
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ISSN: | 0385-0137 |