人工心肺装置操作における臨床工学技士の精神的作業負担についての研究 -医療事故低減に向けて
「要旨」人工心肺装置の操作は, 着座姿勢での機器監視作業が中心であることから身体的な作業負荷は低いが, 操作を間違えると直接人命に影響を与えるため, 精神的作業負荷は極めて高い. また, 手術室という環境下で, 症例により異なる要求への対応, 場面によって異なる監視および操作方法, 医療事故への不安など, 多くの精神的作業負荷が加わる. この作業負荷により精神的作業負担が高まり, 時にはその影響が医療事故に結びつくことも考えられる. 本研究は, 精神的作業負担が, 臨床工学技士が行う人工心肺装置操作中にどのように変化するのかを, 生理的および主観的指標を用いて評価することを目的に行った. その...
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Published in | 体外循環技術 Vol. 36; no. 4; pp. 343 - 348 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本体外循環技術医学会
01.12.2009
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Subjects | |
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ISSN | 0912-2664 |
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Summary: | 「要旨」人工心肺装置の操作は, 着座姿勢での機器監視作業が中心であることから身体的な作業負荷は低いが, 操作を間違えると直接人命に影響を与えるため, 精神的作業負荷は極めて高い. また, 手術室という環境下で, 症例により異なる要求への対応, 場面によって異なる監視および操作方法, 医療事故への不安など, 多くの精神的作業負荷が加わる. この作業負荷により精神的作業負担が高まり, 時にはその影響が医療事故に結びつくことも考えられる. 本研究は, 精神的作業負担が, 臨床工学技士が行う人工心肺装置操作中にどのように変化するのかを, 生理的および主観的指標を用いて評価することを目的に行った. その結果, 監視と操作項目数が少ない人工心肺維持期と, 監視と操作項目が多い大動脈遮断解除および離脱操作時に負荷指標に有意差が見られ, 精神的作業負担が高まることが示唆された. 「I.緒言」人工心肺装置の操作は, 主に血液レベルおよび機器の操作パネルの監視作業が中心で, 着座姿勢での四肢移動, 手指の把握・回旋によって作業が行われるため, 身体的作業負担は低い. |
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ISSN: | 0912-2664 |