地域社会におけるリハビリテーション

• Published in: リハビリテーション医学 Vol. 19; no. 1; pp. 7 - 9
• Main Author: 江口寿栄夫
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 日本リハビリテーション医学会 1982
• ISSN: 0034-351X

リハビリテーション(以下リハと略す)の最終の目標は社会復帰にあり, その過程で便宜上, 医学的リハと社会的リハに分けて説明されるが, 前者の医学的リハは都市でも地方でも, こと医学に関することであるので, 医師, 看護婦, PT, OT, ST, 心理判定員, ケースワーカー, 義肢装具製作者などによるチームワークにより, 患者の受ける各々のサービスの内容は医療機関による差はあろうが, 極端な差はなくなってきている. しかし, 社会復帰に繋がる社会的リハとなると, その患者の居住している地域により, かなり異なってくるのは当然といえる. 即ち, 大都市は, 人口が集中し, かつ, その移動に便利なように道路, 交通網が発達しているし, また職業的にみて, 第二次, 第三次産業が主で分業化した職種も多い. そして, 政治, 経済の中心でもあるため, 社会的リハの専門家も集中し易く, その数も多いであろう. 一方, 都市から離れた地方では, 人口も少なく, それも集中でなく分散傾向が強く, 道路, 交通も不十分であるし, また職業的にみて第一次産業が多く, その分業化も進んでいない. 経済的にも, 所得は都市におけるよりは低いし, 政治, 行政面でも小規模である.