STA-proximal MCA吻合術を施行した慢性閉塞性内頸動脈系病変のlong term outcome

脳主幹動脈の慢性閉塞性病変に対する頭蓋外, 頭蓋内バイパス術の国際共同研究3)および本邦での研究10)の最終結論は「バイパス術は虚血性脳血管障害の再発作の予防に有効とはいえない」とする否定的なものであった. しかし, この共同研究の結果に対して, 1)脳血流動態の評価が含まれておらず手術適応に反映されていないこと, 2)参加施設において登録外で手術を受けた症例が多く, 得られた結果が疾患群の全体像を反映していない可能性があること, 3)周術期の合併症の頻度が高すぎること, などの問題点が指摘されている1)2). 一方, 以前よりわれわれは, 低下した灌流圧をより広い範囲で正常域に戻す目的で,...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 27; no. 5; pp. 382 - 385
Main Authors 桑田知之, 小笠原邦昭, 三浦一之, 黒田清司, 鈴木倫保, 小川彰, 桜井芳明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳卒中の外科学会 30.09.1999
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ISSN0914-5508

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Summary:脳主幹動脈の慢性閉塞性病変に対する頭蓋外, 頭蓋内バイパス術の国際共同研究3)および本邦での研究10)の最終結論は「バイパス術は虚血性脳血管障害の再発作の予防に有効とはいえない」とする否定的なものであった. しかし, この共同研究の結果に対して, 1)脳血流動態の評価が含まれておらず手術適応に反映されていないこと, 2)参加施設において登録外で手術を受けた症例が多く, 得られた結果が疾患群の全体像を反映していない可能性があること, 3)周術期の合併症の頻度が高すぎること, などの問題点が指摘されている1)2). 一方, 以前よりわれわれは, 低下した灌流圧をより広い範囲で正常域に戻す目的で, 浅側頭動脈を中大脳動脈中枢側(M2部)に吻合するSTA-proximal MCA吻合術を行ってきた9)11). 今回は本法を行った慢性閉塞性内頸動脈系病変のlong term outcomeにつき検討したので報告する.
ISSN:0914-5508