歯科医に発症した非クロストリジウム性ガス壊疽の1例
職業との関連が示唆されるStreptococcus intermediusを起炎菌とするガス壊疽の1例を経験した.症例は42歳,男性,歯科医.薬剤アレルギー歴あり. 2週間前より特に外傷なく右腋窩に疹痛と腫脹を生じ, 5日前より同部の自潰排膿があり,患者自ら歯科診療所の器具を用い自潰部を縫合した.右腋窩および胸部の痔痛と発熱を主訴に来院.来院時縫合部より出血および排膿がみられ,右腋窩および胸部の発赤熱発と触診上の握雪感を認めた.炎症反応も強く, X線検査でも筋層内に気泡を認めたため,ガス壊疽と診断し直ちに手術的にデブリードマン,ドレナージ施行.薬剤リンパ球刺激試験で陰性の抗生剤投与に加え高圧酸...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 66; no. 7; pp. 1560 - 1564 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
25.07.2005
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Subjects | |
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ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.66.1560 |
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Summary: | 職業との関連が示唆されるStreptococcus intermediusを起炎菌とするガス壊疽の1例を経験した.症例は42歳,男性,歯科医.薬剤アレルギー歴あり. 2週間前より特に外傷なく右腋窩に疹痛と腫脹を生じ, 5日前より同部の自潰排膿があり,患者自ら歯科診療所の器具を用い自潰部を縫合した.右腋窩および胸部の痔痛と発熱を主訴に来院.来院時縫合部より出血および排膿がみられ,右腋窩および胸部の発赤熱発と触診上の握雪感を認めた.炎症反応も強く, X線検査でも筋層内に気泡を認めたため,ガス壊疽と診断し直ちに手術的にデブリードマン,ドレナージ施行.薬剤リンパ球刺激試験で陰性の抗生剤投与に加え高圧酸素療法も併用した.最終的に二次縫合し退院となった.本症例で分離されたS. intermediusは,以前はS. milleriグループに分類されており,口腔内特に歯科領域で分離される.今回の症例では感染巣の増悪に関与したものと考えられた. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.66.1560 |