Prevotella intermedia菌群の血清被覆Hydroxyapatiteへの付着機構の解明

【目的】Prevotella intermedia(P. intermedia)菌群に属するP. intermediaとP. nigrescensは共に歯周疾患の発症および進行に関与している菌種であると共に歯垢中の優勢菌種であることから, これらの菌種の歯肉溝内への付着について検討する場合には, 歯肉溝内の軟組織表面への付着についてと同様に硬組織表面への付着についても考慮する必要があるものと考えられる. そこでこれらの菌種の歯肉溝内の硬組織表面への付着機構について検討を行った. 【方法】歯肉溝内の環境に類似させるために硬組織の代用であるHydroxyapatite beads, トリチウム標識...

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Published in歯科基礎医学会雑誌 Vol. 42; no. 5; p. 505
Main Authors 田村宗明, 黒田亘一朗, 平野泰之, 林邦雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 歯科基礎医学会 30.08.2000
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Summary:【目的】Prevotella intermedia(P. intermedia)菌群に属するP. intermediaとP. nigrescensは共に歯周疾患の発症および進行に関与している菌種であると共に歯垢中の優勢菌種であることから, これらの菌種の歯肉溝内への付着について検討する場合には, 歯肉溝内の軟組織表面への付着についてと同様に硬組織表面への付着についても考慮する必要があるものと考えられる. そこでこれらの菌種の歯肉溝内の硬組織表面への付着機構について検討を行った. 【方法】歯肉溝内の環境に類似させるために硬組織の代用であるHydroxyapatite beads, トリチウム標識のP. intermediaATCC25611株細胞およびP. nigrescensATCC33563株細胞を歯肉溝滲出液成分と類似しているヒト血清で各々被覆してから付着実験を行った. さらに種々の条件下での付着実験も行い, これらの菌株細胞の付着機構についても検討した. 【結果および考察】ヒト血清被覆の両菌株細胞の付着機構には疎水結合の関与はほとんど認められなかった. しかし, シアル酸の添加によって両菌株細胞共に付着細菌細胞数が減少した. また, 二価の陽イオンを添加した場合にはP. intermediaATCC25611株細胞では付着細菌細胞数の減少が, 反対にP. nigrescensATCC33563株細胞では増加が認められた.
ISSN:0385-0137