オルトップAFOの効果判定
オルトップAFOは大阪医大式half-AFOとして市販されている. この装具は軽量, 違和感が少ない, 靴を選ばないなどを特徴としている. 一方, 装具効果に対する疑問の意見もある. 今回われわれは本装具の効果判定を客観的に評価した. 【対象および方法】 対象はオルトップ処方者10名, 男7名, 女3名, 平均44歳, 片側麻痺6名, 両側麻痺4名で, 全例痙性による内反尖足である. 疾患は脳血管障害4名, 頭部外傷2名, 脳腫瘍1名, 神経筋疾患3名である. 方法は, (1)裸足, (2)オルトップ装着, (3)オルトップ+靴装着の歩行を, アニマ社製の大型床反力計, 足圧分布計にて計測し,...
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Published in | リハビリテーション医学 Vol. 28; no. 11; pp. 946 - 947 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本リハビリテーション医学会
1991
社団法人日本リハビリテーション医学会 The Japanese Association of Rehabilitation Medicine |
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ISSN | 0034-351X |
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Summary: | オルトップAFOは大阪医大式half-AFOとして市販されている. この装具は軽量, 違和感が少ない, 靴を選ばないなどを特徴としている. 一方, 装具効果に対する疑問の意見もある. 今回われわれは本装具の効果判定を客観的に評価した. 【対象および方法】 対象はオルトップ処方者10名, 男7名, 女3名, 平均44歳, 片側麻痺6名, 両側麻痺4名で, 全例痙性による内反尖足である. 疾患は脳血管障害4名, 頭部外傷2名, 脳腫瘍1名, 神経筋疾患3名である. 方法は, (1)裸足, (2)オルトップ装着, (3)オルトップ+靴装着の歩行を, アニマ社製の大型床反力計, 足圧分布計にて計測し, ビデオカメラにて前後, 側面の足関節の動きも記録し検討した. 【結果および考察】 床反力では, 鉛直成分でノッチの消失, なめらかな立ち上がり, 前後成分で制動・駆動対称性の出現, 側方成分で内反から外反へのなめらかな接地など, 主に接床期での改善が, オルトップ装着で認められた. しかしその改善パターンには一定の傾向は認められなかった. これはオルトップ処方者は, 内反尖足軽症例であるためと思われる. 足圧分布では外反位接地と考えられる内側の圧偏りが, なめらかな圧分布となった. ビデオカメラでは全例裸足よりも, オルトップ+靴装着で歩容の改善が認められた. 以上よりオルトップは装着方法, 症例を限定すれば有効な装具といえる. <質疑応答> 佐藤豊(座長):オルトップAFOの内反と尖足に対する効果の違いについて教えて下さい. |
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ISSN: | 0034-351X |