循環制御による分子治療

「はじめに」肝細胞増殖因子(hepatocyte growth factor;HGF)は肝細胞に特異的な増殖因子として見出されたのが最初であるが, その後血管新生作用, 血管内皮細胞増殖, 保護作用, 神経細胞保護作用などもあることが報告され, これらの効果を治療に応用する試みが行われている. 冠動脈疾患(coronary artery disease;CAD), 閉塞性末梢血管疾患(peripheral arterial disease;PAD), 脳神経疾患などの疾患において, 障害血管, 障害神経の再生への効果が期待されている. 実際, 閉塞性末梢血管疾患に対してはHGF遺伝子治療を用い...

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Published in循環制御 Vol. 27; no. 3; pp. 216 - 223
Main Authors 尾崎和成, 荻原俊男, 森下竜一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本循環制御医学会 30.09.2006
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ISSN0389-1844

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Summary:「はじめに」肝細胞増殖因子(hepatocyte growth factor;HGF)は肝細胞に特異的な増殖因子として見出されたのが最初であるが, その後血管新生作用, 血管内皮細胞増殖, 保護作用, 神経細胞保護作用などもあることが報告され, これらの効果を治療に応用する試みが行われている. 冠動脈疾患(coronary artery disease;CAD), 閉塞性末梢血管疾患(peripheral arterial disease;PAD), 脳神経疾患などの疾患において, 障害血管, 障害神経の再生への効果が期待されている. 実際, 閉塞性末梢血管疾患に対してはHGF遺伝子治療を用いた血管新生療法として臨床応用された, 本稿では, HGFの分子生物学的特性, 効果, および実際の疾患への応用とくにHGFを用いた血管新生療法の展望について概説する.
ISSN:0389-1844