卵巣摘出による骨量減少後においてTobの欠損では骨量が維持される
TobはTob, Tob2, ANA/BTG3, BTG2/PC3/TIS21, BTG1, PC3Bからなる増殖抑制ファミリーの一員である. Tob欠損マウスは生後2ヶ月以降で, その骨量が増加するが, 骨吸収では変化はみられず骨形成が促進していること, 骨芽細胞においてTobはSmad1, 5, 8と結合し, 核内でその転写を負に制御している事が報告されている. 今回, Tobのエストロゲン欠乏による骨粗鬆症における役割を明らかにするために, Tob欠損マウスに卵巣摘出(OVX)を行ない, 骨量に対する解析を行なった. 生後9週のTob欠損マウス(Tob KO)ならびに野生型マウス(WT)...
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Published in | 歯科基礎医学会雑誌 Vol. 44; no. 5; p. 401 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
歯科基礎医学会
20.09.2002
Japanese Association for Oral Biology |
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ISSN | 0385-0137 |
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Summary: | TobはTob, Tob2, ANA/BTG3, BTG2/PC3/TIS21, BTG1, PC3Bからなる増殖抑制ファミリーの一員である. Tob欠損マウスは生後2ヶ月以降で, その骨量が増加するが, 骨吸収では変化はみられず骨形成が促進していること, 骨芽細胞においてTobはSmad1, 5, 8と結合し, 核内でその転写を負に制御している事が報告されている. 今回, Tobのエストロゲン欠乏による骨粗鬆症における役割を明らかにするために, Tob欠損マウスに卵巣摘出(OVX)を行ない, 骨量に対する解析を行なった. 生後9週のTob欠損マウス(Tob KO)ならびに野生型マウス(WT)に卵巣摘出(OVX), 偽手術(SHAM)を行ない, 4週後に屠殺し, μ-CT, DEXA法を用い, 大腿骨骨量(BV/TV)及びBone Mineral Density(BMD)を計測した. WTにおいて, OVXによりBV/TV, 並びにBMDは減少した. また, Tob KOにおいても, SHAM群に比べ, 骨量, BMD共に減少していたが, その減少率はWTに比べ低く, さらに, Tob KOにOVXを行った群はWTのSHAM群と同程度のBV/TV, BMDを示した. (骨量:7% vs 8%, BMD:53. 8mg/cm2 vs 48. 5mg/cm2)以上の結果より, OVXによる骨量減少状態においても, Tobの欠損では野生型レベルの骨量が維持されることが示された. |
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ISSN: | 0385-0137 |