誤嚥したバターナイフによる胃穿孔の1手術例

症例は61歳,女性.主訴は腹痛.平成13年3月27日,食事中咽頭に引っ掛かった魚骨を,自分でバターナイフを用いて取ろうとしたところ,バターナイフを誤嚥してしまった.翌日より腹痛出現し, 3月29日当院受診.炎症反応の上昇,腹部レントゲン写真にてバターナイフを確認.腹膜刺激症状はなかった.内視鏡所見では,ナイフの先端が胃幽門前庭部につかえ,柄の部分が胃体下部大彎にて穿孔を起こしていた.内視鏡的にはバターナイフを摘出することができず,緊急開腹手術となった.開腹所見では,バターナイフの柄が胃体下部大彎を貫き,周囲に膿瘍を形成,大網に覆われていた.バターナイフを摘出し,胃壁を縫合閉鎖後,腹腔内洗浄ドレ...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 64; no. 6; pp. 1370 - 1373
Main Authors 木村, 徹, 金田, 悟良, 雨宮, 明文, 高橋, 俊毅, 小坂, 愉賢, 西山, 保比古
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本臨床外科学会 25.06.2003
Subjects
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.64.1370

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Summary:症例は61歳,女性.主訴は腹痛.平成13年3月27日,食事中咽頭に引っ掛かった魚骨を,自分でバターナイフを用いて取ろうとしたところ,バターナイフを誤嚥してしまった.翌日より腹痛出現し, 3月29日当院受診.炎症反応の上昇,腹部レントゲン写真にてバターナイフを確認.腹膜刺激症状はなかった.内視鏡所見では,ナイフの先端が胃幽門前庭部につかえ,柄の部分が胃体下部大彎にて穿孔を起こしていた.内視鏡的にはバターナイフを摘出することができず,緊急開腹手術となった.開腹所見では,バターナイフの柄が胃体下部大彎を貫き,周囲に膿瘍を形成,大網に覆われていた.バターナイフを摘出し,胃壁を縫合閉鎖後,腹腔内洗浄ドレナージを行った.術後経過良好にて,術後12日目に退院となった.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.64.1370