歯根形成におけるCBFA-1の局在
Core Binding Factor A-1(CBFA-1, Runx2)は鎖骨頭蓋異骨症の原因遺伝子で, 骨芽細胞や軟骨細胞の分化などにも関係していると考えられている. 近年, CBFA-1のmRNA発現はBMPによって誘導されるという報告がなされている. 著者らは歯根形成におけるCBFA-1の機能を検索するために, マウスの歯根形成過程におけるCBFA-1とBMP-4の局在を免疫組織化学的に比較検討した. 実験動物は生後0, 3, 5, 7, 10, 14および21日のDDY系マウスを使用した. 4% paraformaldehyde溶液を用いて灌流固定を行い, EDTAで脱灰後, 臼歯...
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Published in | 歯科基礎医学会雑誌 Vol. 45; no. 5; p. 338 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
歯科基礎医学会
01.09.2003
Japanese Association for Oral Biology |
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ISSN | 0385-0137 |
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Summary: | Core Binding Factor A-1(CBFA-1, Runx2)は鎖骨頭蓋異骨症の原因遺伝子で, 骨芽細胞や軟骨細胞の分化などにも関係していると考えられている. 近年, CBFA-1のmRNA発現はBMPによって誘導されるという報告がなされている. 著者らは歯根形成におけるCBFA-1の機能を検索するために, マウスの歯根形成過程におけるCBFA-1とBMP-4の局在を免疫組織化学的に比較検討した. 実験動物は生後0, 3, 5, 7, 10, 14および21日のDDY系マウスを使用した. 4% paraformaldehyde溶液を用いて灌流固定を行い, EDTAで脱灰後, 臼歯歯胚が矢状断される方向にパラフィン切片を作成した. 免疫組織化学では, CBFA-1およびBMP-4polyclonal抗体(Santa Cruz)を用いてABC法で反応を行い, 局在を観察した. CBFA-1およびBMP-4の免疫反応は歯冠形成期ではcerviccal loopに強かった. 歯根形成開始期では反応はHertwig上皮鞘(HERS)に面する歯乳頭細胞(DPC)に強かったが, 歯根形成が進むとHERSの反応はDPCよりも強かった. 根尖形成期では反応はHERSとDPCに認められた. CBFA-1はBMP-4歯根形成においてHERSとDPC間の上皮, 間葉signal伝達物質として作用することが示唆された. |
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ISSN: | 0385-0137 |