骨粗鬆症の集団指導を試みて

〔目的〕当園入所者の平均年齢は72.1歳で, 高齢化をたどっており, ほとんどが骨粗鬆症の予備軍と考えられる. 近年, 腰痛, 関節痛を訴える患者や, 転倒により骨折する患者が増える傾向にある. そこで保健指導の必要性を感じ, 今回集団指導を試みた. その結果, 骨粗鬆症に対する意識の変化が見られたので報告する. 〔方法〕1. 対象 入所者全員(病棟入室者, 長期外泊者を除く232名) 2. 集団指導(1)骨粗鬆症についてのビデオ上映(2)カルシウムを多く含む食品の展示(3)カルシウム捕助食品の紹介, 試食(4)栄養士による指導(5)パンフレットの配布 3. 質問紙による聞き取り調査〔結果〕参...

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Published in日本ハンセン病学会雑誌 Vol. 67; no. 3; p. 449
Main Authors 三浦由理子, 倉内柳子, 服部初枝, 赤平潮子, 秋元春美, 鎌田かえで, 間山佳子, 小田桐栄子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ハンセン病学会 01.12.1998
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ISSN1342-3681

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Summary:〔目的〕当園入所者の平均年齢は72.1歳で, 高齢化をたどっており, ほとんどが骨粗鬆症の予備軍と考えられる. 近年, 腰痛, 関節痛を訴える患者や, 転倒により骨折する患者が増える傾向にある. そこで保健指導の必要性を感じ, 今回集団指導を試みた. その結果, 骨粗鬆症に対する意識の変化が見られたので報告する. 〔方法〕1. 対象 入所者全員(病棟入室者, 長期外泊者を除く232名) 2. 集団指導(1)骨粗鬆症についてのビデオ上映(2)カルシウムを多く含む食品の展示(3)カルシウム捕助食品の紹介, 試食(4)栄養士による指導(5)パンフレットの配布 3. 質問紙による聞き取り調査〔結果〕参加者は108名(軽症者寮45名, センター63名)で, 対象とした入所者の46.6%であった. ビデオ上映や食品展示, カルシウム補助食品の試食は好評を得た. 指導後に行った聞き取り調査では, 91.7%の人が骨粗鬆症予防の大切さを認識できたと答えている. 〔結論〕(1)集団指導の結果, 参加者の理解度に差は見られるが, 疾病予防の動機づけとなった. (2)対象を理解し, 各レベルに応じた個別的アプローチが今後の保健指導の課題である.
ISSN:1342-3681