アトピー性皮膚炎モデルにおける乳酸菌の抑制効果

「目的」乳酸菌株Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus OLL1073R-1およびStreptococcus thermophilus OLS3059は, 免疫調節能を有することが確認されている. 本研究では, アトピー性皮膚炎モデルにおける上記菌株の抑制効果を検討した. また, 炎症性サイトカインの一種であるインターロイキン6(IL-6)に注目し, 本モデル系におけるIL-6の関与と乳酸菌株のIL-6産生に及ぼす影響を検討した. 「方法」乳酸菌株の効果検討は次の通りである. SPFのNC/Ngaマウスに乳酸菌体あるいは蒸留水を連日経口投与した....

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Published in腸内細菌学雑誌 Vol. 21; no. 2; p. 81
Main Authors 狩野宏, 池上秀二, 北純子, 竹友直生, 折居直樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ビフィズス菌センター 01.04.2007
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ISSN1343-0882

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Summary:「目的」乳酸菌株Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus OLL1073R-1およびStreptococcus thermophilus OLS3059は, 免疫調節能を有することが確認されている. 本研究では, アトピー性皮膚炎モデルにおける上記菌株の抑制効果を検討した. また, 炎症性サイトカインの一種であるインターロイキン6(IL-6)に注目し, 本モデル系におけるIL-6の関与と乳酸菌株のIL-6産生に及ぼす影響を検討した. 「方法」乳酸菌株の効果検討は次の通りである. SPFのNC/Ngaマウスに乳酸菌体あるいは蒸留水を連日経口投与した. 経口投与開始後8日目からダニ破砕物を塗布することにより皮膚炎を惹起し, 症状と炎症マーカーの一種である血清アミロイドA(SAA)濃度を解析した. また, ダニ破砕物を14日間塗布したマウス由来の頚部リンパ節細胞(LNC)をダニ破砕物の存在下で培養し, 培養上清中のIL-6を定量した. 一方, 本モデル系におけるIL-6の関与検討については, 上記方法で皮膚炎を惹起する系において, gp130-Fcキメラタンパクの投与でIL-6の作用を阻害した際の各種指標を評価した. また, BALB/cとNC/Ngaマウス間でIL-6産生能や皮膚炎惹起時の耳介中IL-6量を比較した.
ISSN:1343-0882