皮下気腫を合併した成人臍ヘルニア嵌頓の1例

症例は89歳女性. 1999年2月20日頃より臍部の膨隆が見られたが放置していた. 2月23日頃から臍部の発赤・疼痛および腹痛・嘔吐が出現したため, 2月26日近医受診した.腹部CTにて臍ヘルニア嵌頓と診断され,当院に転院した.来院時,臍部に発赤と熱感を伴う膨隆を認め,臍部より左側腹部に広範囲に広がる皮下気腫を合併していた.また,血液検査所見にて, WBC 14,000/μl, CRP 9.5mg/dlと高値を示しており,腸管穿孔の疑いにて同日緊急手術を施行した.手術所見では,ヘルニア内容を開放すると,大量の膿汁とともに壊死穿孔した小腸が認められ,同部を切除,端々吻合にて再建した.術後経過は良...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 65; no. 8; pp. 2264 - 2267
Main Authors 村尾, 佳則, 畑, 倫明, 則本, 和伸, 中村, 達也, 小延, 俊文, 奥地, 一夫
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本臨床外科学会 25.08.2004
Subjects
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.65.2264

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Summary:症例は89歳女性. 1999年2月20日頃より臍部の膨隆が見られたが放置していた. 2月23日頃から臍部の発赤・疼痛および腹痛・嘔吐が出現したため, 2月26日近医受診した.腹部CTにて臍ヘルニア嵌頓と診断され,当院に転院した.来院時,臍部に発赤と熱感を伴う膨隆を認め,臍部より左側腹部に広範囲に広がる皮下気腫を合併していた.また,血液検査所見にて, WBC 14,000/μl, CRP 9.5mg/dlと高値を示しており,腸管穿孔の疑いにて同日緊急手術を施行した.手術所見では,ヘルニア内容を開放すると,大量の膿汁とともに壊死穿孔した小腸が認められ,同部を切除,端々吻合にて再建した.術後経過は良好にて第19病日に転院した.成人発症の臍ヘルニアは比較的稀な疾患であり,今回高齢女性に皮下気腫を伴って発症した症例を経験したため,若干の文献的考察を加えて報告した.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.65.2264