従業員1,000人未満の事業所における産業看護職の業務実態と現状認識

関東地方の従業員1,000人未満の事業所で働く看護職を対象に, 1993年8月~9月に郵送による質問紙調査を行った. 103通を配付し, 84通(81.5%)の回収があったが, 事業所規模超過を対象外とし, 最終的な分析対象数は59通になった. また, 承諾が得られた9名には面接調査も行った, 結果は, 以下の4点にまとめられた. 1)多くの者が診療関連業務に関与しており, その業務のなかで現状に関して不満が多かったのは, 保健指導と医師不在時の投薬であった. 2)多くの者が健康管理関連業務に関与していたが, 職業病予防のための衛生教育と衛生委員会の出席への関与は低かった. そして, 健康教育...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in産業衛生学雑誌 Vol. 39; no. 6; pp. 203 - 208
Main Author 磯野富美子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 20.11.1997
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1341-0725

Cover

More Information
Summary:関東地方の従業員1,000人未満の事業所で働く看護職を対象に, 1993年8月~9月に郵送による質問紙調査を行った. 103通を配付し, 84通(81.5%)の回収があったが, 事業所規模超過を対象外とし, 最終的な分析対象数は59通になった. また, 承諾が得られた9名には面接調査も行った, 結果は, 以下の4点にまとめられた. 1)多くの者が診療関連業務に関与しており, その業務のなかで現状に関して不満が多かったのは, 保健指導と医師不在時の投薬であった. 2)多くの者が健康管理関連業務に関与していたが, 職業病予防のための衛生教育と衛生委員会の出席への関与は低かった. そして, 健康教育と衛生教育に関して不満が多かった. 3)事業所での診療活動には, 本来的な診療所機能と薬局的機能が求められていると考えられ, この2点から診療のありかたを検討する必要性が示唆された. 4)産業看護職は, 健康教育と衛生教育, 保健指導, 健康相談を彼らの職務と考えていた.
ISSN:1341-0725