楽器を自由探索する幼児の縦断的観察 キッズジャンベの遊び方の変遷に着目して

本研究は,幼児の自由探索を促す環境に楽器を置いたとき,そこで幼児がどのように楽器を探索するのかを,縦断的観察を通して明らかにするものである。公立幼稚園にて,2015年10月から2018年3月までの長期的な参与観察を行った。午前中の自由遊びの時間に6種類(キッズジャンベ,ギロ,ウッドブロック,たまごマラカス,サウンドシェイプ,モーコック)の小型楽器を並べた楽器コーナーを作り,幼児が自由に楽器に触れられる環境を設定した。観察対象として,楽器コーナーに来る頻度の高かった女児1名に着目し,遊びの中でキッズジャンベにかかわる様子を事例として示した。その結果,楽器の自由探索では,非慣習的な使い方を含む様々...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in保育学研究 Vol. 58; no. 2-3; pp. 81 - 92
Main Author 伊原, 小百合
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本保育学会 2020
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1340-9808
2424-1679
DOI10.20617/reccej.58.2-3_81

Cover

More Information
Summary:本研究は,幼児の自由探索を促す環境に楽器を置いたとき,そこで幼児がどのように楽器を探索するのかを,縦断的観察を通して明らかにするものである。公立幼稚園にて,2015年10月から2018年3月までの長期的な参与観察を行った。午前中の自由遊びの時間に6種類(キッズジャンベ,ギロ,ウッドブロック,たまごマラカス,サウンドシェイプ,モーコック)の小型楽器を並べた楽器コーナーを作り,幼児が自由に楽器に触れられる環境を設定した。観察対象として,楽器コーナーに来る頻度の高かった女児1名に着目し,遊びの中でキッズジャンベにかかわる様子を事例として示した。その結果,楽器の自由探索では,非慣習的な使い方を含む様々な遊び方を通して,子どもが主体的に楽器の文化と出合っていくことが実証された。
ISSN:1340-9808
2424-1679
DOI:10.20617/reccej.58.2-3_81