複数の速度を持つ道路網データを利用した救急車の配置問題について

本論文では,救急車の最適施設配置問題を考える.ここでは,モデルの基盤として救急車の移動速度を持つ道路網を構築する.この道路網は,主要道路と一般道路という二種類の道路を含む.それぞれの速度は,繰り返し法によって決定される.本研究では,この道路網を用いて救急車システムを評価する枠組みを与える.評価基準は,連続時間型マルコフ連鎖を適用して得られる平均対応時間である.本論文では,このモデルを瀬戸市の救急車システムに応用した二つの計算実験を紹介する.ひとつは既存研究との比較である.道路網を用いることによって,ユークリッド距離を仮定している既存研究とは異なる結果が得られることを示す.もうひとつの計算実験で...

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Published in都市計画論文集 p. 137
Main Authors 古田, 壮宏, 稲川, 敬介, 鈴木, 敦夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本都市計画学会 2006
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ISSN1348-284X
1348-284X
DOI10.11361/cpij1.41.0.137.0

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Summary:本論文では,救急車の最適施設配置問題を考える.ここでは,モデルの基盤として救急車の移動速度を持つ道路網を構築する.この道路網は,主要道路と一般道路という二種類の道路を含む.それぞれの速度は,繰り返し法によって決定される.本研究では,この道路網を用いて救急車システムを評価する枠組みを与える.評価基準は,連続時間型マルコフ連鎖を適用して得られる平均対応時間である.本論文では,このモデルを瀬戸市の救急車システムに応用した二つの計算実験を紹介する.ひとつは既存研究との比較である.道路網を用いることによって,ユークリッド距離を仮定している既存研究とは異なる結果が得られることを示す.もうひとつの計算実験では,先の実験の候補地に4-メディアンを加えて再計算をおこなう.メディアン問題と比較することにより,救急車システムが持つ不確実性について議論する.
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ISSN:1348-284X
1348-284X
DOI:10.11361/cpij1.41.0.137.0