気管癌に対して硬性鏡下腫瘍切除後に気管分岐部形成術を施行した1例

呼吸器外科手術の中でも気管癌に対する気管分岐部切除・再建は非常に稀な術式である.特に高度な気道狭窄を伴う症例では手術中の呼吸管理が困難になることが予想され,術前・術中に何らかの対策が必要となる.症例は69歳,男性.気管分岐部に発生した気管癌に対して気管分岐部切除術および形成術が施行される予定であった.しかし初診後,短期間で気管狭窄症状が悪化したため,まず硬性鏡下に腫瘍減量切除を行い,十分な気道確保を行った後,二期的に気管分岐部切除と形成術を施行した.術後29日目に合併症なく退院となった.術後1年6ヵ月,再発なく経過している.硬性鏡下の気管癌切除を先行することにより,安全な呼吸管理のもとで気管分...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 39; no. 5; pp. 440 - 444
Main Authors 花岡 淳, 斉藤 弘紀, 岡本 圭伍, 石原 大悟, 川口 庸, 白鳥 琢也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本呼吸器外科学会 15.07.2025
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.39.440

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Summary:呼吸器外科手術の中でも気管癌に対する気管分岐部切除・再建は非常に稀な術式である.特に高度な気道狭窄を伴う症例では手術中の呼吸管理が困難になることが予想され,術前・術中に何らかの対策が必要となる.症例は69歳,男性.気管分岐部に発生した気管癌に対して気管分岐部切除術および形成術が施行される予定であった.しかし初診後,短期間で気管狭窄症状が悪化したため,まず硬性鏡下に腫瘍減量切除を行い,十分な気道確保を行った後,二期的に気管分岐部切除と形成術を施行した.術後29日目に合併症なく退院となった.術後1年6ヵ月,再発なく経過している.硬性鏡下の気管癌切除を先行することにより,安全な呼吸管理のもとで気管分岐部切除・再建が可能となった1例を経験したので報告する.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.39.440