観察・実験場面の「対話的な学び」への参加行動と心理的安全性との関係 潜在クラスモデルを用いた行動傾向の類型化に基づいた分析

本研究は「対話的な学び」で望ましいとは言えない行動(e.g.,我執,フリーライド)に着目し,理科の観察・実験場面においてこれらの行動が生起するのかを検討した。また,対話や我執,フリーライドなどの行動と理科教師に対する心理的安全性および実験グループのメンバーに対する心理的安全性との関連を検討した。その結果,我執やフリーライドといった「対話的な学び」で望ましいとは言えない行動が観察・実験場面で生起していることが明らかとなった。また,実験グループのメンバーに対する心理的安全性のみ「対話的な学び」で望ましい対話群に対して有意な正のパスが認められた。さらに,「対話的な学び」で望ましいとは言えない我執群に...

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Published in理科教育学研究 Vol. 63; no. 3; pp. 537 - 550
Main Authors 亀山, 晃和, 原田, 勇希, 齋藤, 惠介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本理科教育学会 31.03.2023
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ISSN1345-2614
2187-509X
DOI10.11639/sjst.B21008

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Summary:本研究は「対話的な学び」で望ましいとは言えない行動(e.g.,我執,フリーライド)に着目し,理科の観察・実験場面においてこれらの行動が生起するのかを検討した。また,対話や我執,フリーライドなどの行動と理科教師に対する心理的安全性および実験グループのメンバーに対する心理的安全性との関連を検討した。その結果,我執やフリーライドといった「対話的な学び」で望ましいとは言えない行動が観察・実験場面で生起していることが明らかとなった。また,実験グループのメンバーに対する心理的安全性のみ「対話的な学び」で望ましい対話群に対して有意な正のパスが認められた。さらに,「対話的な学び」で望ましいとは言えない我執群に対して実験グループに対する心理的安全性からの有意な正のパス,理科教師に対する心理的安全性からの有意な負のパスが認められた。これらのことから,「対話的な学び」における生徒の行動や「対話的な学び」に対する心理的安全性の正や負の効果を明らかにすることができた。
ISSN:1345-2614
2187-509X
DOI:10.11639/sjst.B21008