オムツかぶれ発症ゼロを目指して パンフレット作成、指導を実施して
〈緒言〉当小児科病棟に入院する患児は、喘息・肺炎・胃腸炎などの急性期疾患が主であり、在院平均日数は8日と短期間である。年齢は学童11%幼児35%乳児38%新生児16%と乳幼児が大半を占めている。入院後乳幼児の母親からお尻が赤くなってどうしたらいいかなどの質問やオムツかぶれで痛がり泣く児が度々みうけられた。そこでオムツかぶれの発症調査を行い清潔ケア指導を実施した。 〈方法〉 1.期間:平成18年4月から9月 2.対象:3歳未満児と付添者(主に母親)20名 1)指導前にアンケート調査 2)パンフレット作成・指導ケアの実践 3)実施後の聞き取り調査 3.倫理的配慮:対象者に調査の主旨を説明、自...
Saved in:
Published in | 日本農村医学会学術総会抄録集 p. 53 |
---|---|
Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本農村医学会
2007
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1880-1749 1880-1730 |
DOI | 10.14879/nnigss.56.0.53.0 |
Cover
Summary: | 〈緒言〉当小児科病棟に入院する患児は、喘息・肺炎・胃腸炎などの急性期疾患が主であり、在院平均日数は8日と短期間である。年齢は学童11%幼児35%乳児38%新生児16%と乳幼児が大半を占めている。入院後乳幼児の母親からお尻が赤くなってどうしたらいいかなどの質問やオムツかぶれで痛がり泣く児が度々みうけられた。そこでオムツかぶれの発症調査を行い清潔ケア指導を実施した。 〈方法〉 1.期間:平成18年4月から9月 2.対象:3歳未満児と付添者(主に母親)20名 1)指導前にアンケート調査 2)パンフレット作成・指導ケアの実践 3)実施後の聞き取り調査 3.倫理的配慮:対象者に調査の主旨を説明、自由参加でありいつでも辞退できる事、調査内容は無記名とし、同時に今回の研究以外に使用されない事を口頭で説明し承諾を得た。 〈結果〉平均入院日数は5日間で、オムツかぶれを発症した患児は20名中9名であった。そのうち7名が退院する前に完治し、他2名は改善傾向にあり退院となる。 〈考察〉オムツかぶれは予防することが重要と考えられているが入院に伴い患児は清潔ケアが制限される。その中でも乳幼児の陰臀部は、かぶれやすい状況にある為快適な入院生活を送れるよう援助して行く事が必要である。指導前調査で、家族は入院中どのように予防ケアしていいか解らずにいる事がわかった。 検討により、家族の意識を高める援助が必要と考え、ポイントを絞り写真つきのパンフレットを作成実施指導した。母の記憶の手助けとなり、認識や理解が深まり退院まで継続して実施できた事や、皮膚発赤もすぐ軽減し治りが早かった事は効果的であったと考える。入院期間が短いことで、家族に処置や観察を委ねる事が増加している。その為さらにきめ細かい指導や配慮が看護師には要求されている。母親の期待する援助を考えることができ、統一したケア指導の必要性について看護師の意識を高めることへも繋がったと考える。 入院2~3日目にオムツかぶれが発症する事が多く、入院早期に指導実施した事は皮膚をよい状態に保持でき、皮膚発赤の改善効果や悪化防止に有効である事が示唆された。 調査から「背中まで見るようになった」などの母の声があった。母へ知識や情報を提供し、指導・実践して携わることで、母の観察能力も高まり児へのよりよいスキンケアに繋がったと考える。また母親が必要とする援助を改めて調査し、検討したことは有効性があるといえる。退院後も続けたいとの意欲的な意見も多く、家族看護へも繋げるきっかけとなり、ケア・指導の効果がみられた。入院当初から児・母親とのコニュミケーションを十分にはかり、指導援助を一緒に取り組み関わっていくことは、有意義であると考える。個別性を重視しながら日々検討し、母親参加を進めた家族指導を継続していきたい。 〈結論〉 1.パンフレットを用いて説明・指導を行う事は認識が高まりケアの動機付けとなる。 2.入院当初から指導、ケアすることにより、オムツかぶれ増強の予防効果と改善効果がある。 3.児の家族ケア指導は家族(母)の理解と協力が必要不可欠である。 4.看護師間での統一した継続的関わりが必要である。 |
---|---|
Bibliography: | 1D04 |
ISSN: | 1880-1749 1880-1730 |
DOI: | 10.14879/nnigss.56.0.53.0 |