H&E染色内部精度管理におけるデジタル評価の有用性
病理検査では,色調の精度管理は人の目による主観的な確認で行われている。これまでRed-Green-Blue(RGB)やΔCによるHematoxylin-Eosin染色(以下,H&E染色)の数値化の試みがなされてきた。H&E染色性の色合いなどはある程度観察者の「慣れ」もあり,各施設内での内部精度管理が重要である。本検討では,当院で毎朝行っているH&E染色の染色性チェック用コントロール標本を使用して,染色後の標本をデジタル化し,画像解析ソフトウェアHALO®を用いて色調を数値化した。H&E染色の目視評価は比較的均一であり,差異を認めなかった。数値化した結果は,エオジ...
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Published in | 医学検査 Vol. 73; no. 4; pp. 757 - 763 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
25.10.2024
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Summary: | 病理検査では,色調の精度管理は人の目による主観的な確認で行われている。これまでRed-Green-Blue(RGB)やΔCによるHematoxylin-Eosin染色(以下,H&E染色)の数値化の試みがなされてきた。H&E染色性の色合いなどはある程度観察者の「慣れ」もあり,各施設内での内部精度管理が重要である。本検討では,当院で毎朝行っているH&E染色の染色性チェック用コントロール標本を使用して,染色後の標本をデジタル化し,画像解析ソフトウェアHALO®を用いて色調を数値化した。H&E染色の目視評価は比較的均一であり,差異を認めなかった。数値化した結果は,エオジンに周期的変動を認めた。また,管理限界を ±2SDおよび ±3SDに設定したXbar管理図を作成したところ管理限界幅内に収まっていた。本検討のように,HALO®解析を用いて色調を数値化することで,染色性の差異を客観的に評価することが可能となった。染色性の変動を可視化することは内部精度管理の手段として客観性があり有用である。 |
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ISSN: | 0915-8669 2188-5346 |
DOI: | 10.14932/jamt.23-113 |